キスダム 第12話「凍海」

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 最初にシュウ達を襲う男たちのシーンからしてギャグなのには吹いた。
 うーん、ようわからん。視聴対象にする時にはOHPなどの情報から「これは絶対良作」という感じを受けていたのに、最初3〜4話ぐらいにはもう駄作扱いして、化けることもまずないだろうと踏んでいた。だが最近見終わるぐらいには胸に深くおりてくるものがあるんですよ。
 それはやっぱり哀羽シュウのキャラがたってきた(成長といっていいのか?)せいもあると思う。最初の登場時にはまさか彼が主人公とは思わなくて、ただのやんちゃ坊主なのかと思っていた。ところが、世界行脚をしているうちに余計な台詞が少なくなり、物事を即断する雰囲気が無くなって深みが出てきて評価が少しずつ高くなっていってるんですよ。
 そして今回も昔の仲間を倒すのに、裏返った仲間を目の前にうろたえるようすもなく、かといって冷酷そのまゝに倒すわけでもなく、悲しみを引き受けながら自分の心を押し殺してやるべきことをやる、もう漢といっていい風格を備えていると思うんですよ。EDのラストシーンの後姿がもう象徴的でね。
 まぁそりゃ動画的にみても、小エピソードの完成度からいってもそんなにクォリティが高いとは決していえないんだけど、ちゃんと話の展開と溜めがあるために、結論部分というかクライマックスでは無理のない感情表出ができているんではないかと思う。EDが流れてくるとホント泣きそうになりますよ。まぁそういったって結論を含むトータルバランスを見なきゃなんないんで、たしかに評価が分かれるのは仕方が無いとは思う。
 ここにきてハーディアンが何のメタファーなのかがうっすらと見えてきたような気がするんで、どうにも甘々な評価になってしまうんだろう。まぁ私の見立てが正しいとも言えないんですけどね。メタファーといっても具体的に一つのものを指すとも思わないしなぁ。ただ、死ぬ→裏返りというのはある現象を指していると思うので、たぶんシュウが裏返った仲間を倒すというのは“再生のための儀式”と思う。今後の可能性としてシュウが倒した昔の仲間がまたシュウの仲間として復活というのは考えていると思う。そうなるとまた視聴者から非難轟々だろうな〜。
 もしかして次回は今までの戦いをスクリーンで眺めるという総集編?。