外国人単純労働者

 http://d.hatena.ne.jp/Mr_Rancelot/20070618さんとこ経由で、http://www.taro.org/blog/index.php/archives/558を読んでちょっと待って欲しいというところです。まぁ自民党というだけで胡散臭いのですが、とりあえず読まれることを考えて礼を失しないようなエントリーですので、あまり感情的にならずにだらだら書いてみたい。なんか本当は知っていて、それでいて知らぬフリをしている可能性が大なんですけどね。
 たぶん単純労働ってのはなくなるものではないというのが前提だと思う。それを低廉に済まそうとするところに無理があるというわけで、そこらへんの考えが浅いんではないかと思う。河野太郎氏の論説だと、優先順位が一番高いのが“人口減少時代の日本を繁栄させていく”ことであり、そこらへんの派生が胡散臭い。結局言いたいのは国民の平穏な暮らしというものではなく、経済発展のための人口をどのように確保するか?というのが主題になっているのだ。そこが老後の介護に不安を持つ層に「お前らを介護をする人間がこのまゝだといなくなるぞ!、外国から労働者を受け入れないと一人暮らしのさびしい老人になるぞ!」と焚き付けているのが罪作りである。
 ちょっと話はズれるのだが、老人介護のそもそもの胡散臭さというのは、「老人を国民全体で面倒みましょう」ということである。あれは別に政府が心の底からそう思っていたのではなく、実は経済成長のためのおためごかしにすぎないというものなのである。それまでは親の面倒は子供が見るというものであって、それには確かに賛否両論はあると思うのだが、そこに目をつけた権力層の甘い汁啜り構造がまたイヤラシイのである。
 たとえば、親の面倒を子供が見るという風習であれば、私の親の面倒を私が見、あなたの親のめんどうをあなたが見るということになる。ここで確認して欲しいのは、ここでは貨幣の介在が存在しないということなのだ。ところが、あなたの親の面倒を私が見、私の親の面倒をあなたが見るということになったら、そこに貨幣の交換が生じるのだ。つまりやっている作業量は変わらないのに、他人の面倒を見るということで簡単に外部経済化することができるのだ。そうなると税金も搾り取れるし、介護サーヴィス仲介業が発生し、とうぜん介護施設の建設が行われなければならず、容易に許認可権そのた諸々の利権が生じ、政治屋にとっては突然経済成長部分ができて成果にもできるし、先ほど述べたように甘い汁を吸う構造が出来上がる。
 そのためにはまず何がなされなければならないかというと女性の労働力化であり、その一助として男女雇用機会均等法なり男女共同参画なりの方針であったりする。政府は別に女性の自立なり平等なりを真剣に考えて政策を立てたわけじゃなく、家に篭って家庭を守っていた女性を外に引き摺りだし、うまくダまして労働させ、上前をハねるのが最初からの目的であったのだ。
 もちろん地域の相互扶助システムなんかも邪魔だ。そういうのはぜんぶ外部経済化して金にして、できるだけ利権を使いながら掠め取ることが権力層にとっては重要なのだ。つまり家庭も地域も破壊して全部金に換えるというのが最初からの権力層の目的であったのだ。考えてもらいたい。別にバブル崩壊後経済成長がマイナスであったことがあろうか?。マイナスにならないよう、既存の仕事はできるだけ安く労働者をこき使い(これが今の政府が言う労働生産性だ)、休んでいる主婦がいれば働きに出させ、携帯電話やゲームなど、子供を通じて金を吐き出させる。もちろん子供も外部経済化できるものはする。万引きしてその補填を店にさせれば万引きが起こらない状態より物の流通量は増える。カツ上げも有効だ。金を持っていない餓鬼が金を持っている餓鬼から掠め取り、ろくでもないことに使わせれば質素倹約しているより金や物の流通が増える。もちろんカツ上げする能力の無い者は身体を売ってもらう。援助交際も政府的には大推奨だ。貞操を守って質素倹約に過ごしてもらうより身体を売って無駄遣いしてくれれば経済的には潤う。政府的には女を買ったほうを罰すれば体裁は整う。なんせ女は守ってやるべきもんだからな。売るほうは黙認推奨。覚醒剤も権力層のために好都合だ。なにせ中毒性があるから判断力の無い子供は経済感覚無視で買ってくれるし、売人から上納金をたんまりせしめられる。
 もちろん、カツ上げ、カツ上げに必要なイジメ、万引き、援助交際の邪魔をして、権力層の身入りを減らす教師は邪魔だ。邪魔する教師は罰せられなければならない。そうだ、イジメや万引きなど不良生徒の親の味方をすればオッケーだ。逆切れさせて、子供が違法行為をするのは教師の指導のせいということにしとけばいい。なぁに、蛇の道はヘビ、ちゃんと権力層の意を汲んで親は教師に噛み付いてくれる。悪いことをして罰せられるより、悪いことをしてそれを褒めてくれるほうが損にならないもんな。うるさい教師を見下すこともできて悪いことなし。教員免許更新制法案が教師の指導力を削ぐのに都合がいいぞ…というのが流れ。
 とにかく、金になるものはなんでも売ってきたというのが今までの方針なのだ。ちょうど男女平等関連、派遣法の改定、そしてあてを見込んだ老人介護施設の乱立などが'80年代後半から'90年代前半にかけて進行する。施設建設に関しての汚職は'80年代の後半から既に見られていたし、校内暴力から登校拒否に変わるのが'90年代前半にはもう起こっていて今ひきこもりやニートが問題化しているところ。'90年代中盤には援助交際・ポケベルが流行し始めるし、後半には携帯電話が電撃的な速さで普及する。もちろん'90年代には家庭の崩壊が完成するし、モンスターペアレンツの問題も'90年代後半から激化する。
 すべては中曾根内閣からの派生なのだ。リクルート事件が就職情報誌の規制緩和のための賄賂事件であって、当時バブルで土地が暴騰していたので、成長株と見込まれた不動産株の譲渡を行ったのが象徴している。もともとリクルートが派遣をやりやすくするための布石であったわけだ。森・安倍(晋太郎&その妻)・伊吹(もちろん中曾根も)など、現在の教育界を食い物にしている家族がほとんど賄賂を受け取っていたというのも決して偶然ではないのだ。
 そして単純労働なのだが、もちろんそれを日本人で賄えるように政策を立てているはずもなく(むしろそれをしてしまうと自分の取り分が少なくなってしまうのでわかっていても敢えてやらない)、無理だ無理だといっているのが現状だ。スウェーデンのような失敗例もあるのですべてをヨイショできないのだが、別に北欧は人口が少ないからうまくいっていないか?といえばそんなことはないし、団塊を頂点とする老人社会の到来をなんとか乗り切る必要はあるだろうが、人口減少社会の設計をうまくやれば人口減とそれに見合う経済性を確保して乗り切ることは決して無理ではないと思うのだ。ノルウェー450万、スウェーデン900万、フィンランド500万強、デンマーク550万。デンマークが日本に比べて約10分の1の面積だが、他の三国は日本と同じぐらいの面積である。別にやれないことは無いんだよね。やれないって煽っているのは自民党の利権層とそれに踊らされている層ぐらいなもんで。別に人口を今の10分の1以下にしろなんていいませんよ。
 別に人間同じ単純作業をするのであれば、よっぽどのことがない限り生産性に差があるわけでない。人間が多くて労働分配率を下げれば下げるほど利権層にとっては実入りが大きいだけで、そしてそれは利権層にとって日本人でなくてもいいわけだ。
 そして外国から労働者を受け入れて、日本で面倒を見れば彼らは確実に生活水準の上がったれっきとした日本人になるわけで、じゃぁそのとき単純労働を彼らが嫌がったらどうするか?という想像力が国民に無いといけない。河野太郎氏はたぶんそこは意図的に触れないようにしているわけで、実際にフランス・ドイツなどではもうそういう社会問題が常態化してしまっているわけで、知らないはずは無いと思うのだ。ネット右翼の実像がどうなのか、もしかすると本当に信じている層がいるのかもしれないし、全員が自民党工作員であるという可能性が非常に高いと思うのだが、彼らが外国人労働者を決して非難しない(むしろ推奨すらしている)のは何の冗談か?と思う。朝鮮人や中国人を特アとして非難したその口で外国人労働者の必要性を訴える(というかそれを推奨する自民党を絶賛する)。やっぱり工作員でねぇの?とは思うんですがね。
 そして日本人化した外国人単純労働者の面倒をまた見るために、さらに外国人労働者をおびき寄せるという結果になるような気が強くするんだよね。そう、年金が国家の行う盛大な“金”のねずみ講なら、外国人労働者の受け入れは国家の行う“人間”のねずみ講。たぶんそういう時代になったら、これから受け入れるであろう日本人化した外国人労働者と、負け組に据え置かれている在来日本人とがきっと権力層によっていがみ合わされていると思う。権力層のそういうインチキに気付かせないためにわざと騒ぎ立てて不安を煽るってヤツですよ。
 別に今日本にいる日本人だけで将来の日本を構成すべきかといったら、別に外国人が大量に日本人化した日本もそれはまた一つの日本でもあるわけなんだが、どうなんだろうね?。別に今の日本人が昔からの在来日本人だけで構成されているわけでもなくって、有史でいえば、縄文人弥生人、もっとぶっちゃければネット右翼が忌む大陸からの民族が日本の近畿以西を征服していったといわれるぐらいだし、そしてその一番の勢力がヤマト朝廷だったんじゃないかとも推察する人はいる。もっと卑近な例でいうと、前首相の父親が九州の朝鮮部落出身であるというのがネットで流れているし、政治家の秘書達に統一教会員が多数いて、現在の日本の政治を牛耳っているのは周知のこと。別に日本古来の民族が日本を支配しつづけていたわけでもない。有史以前も海流に乗って東南アジア系の民族とも混血していたであろうし、いまさら日本人が単一民族だと言い張るのもなんだかなぁと思わんでもない。自民党自身が選挙対策のために右翼へのリップサーヴィスとして単一民族って言ってるけど、自民党外国人労働者の受け入れに大賛成だし、もともと自民党員自体が朝鮮人だったり、そのシンパだったりするわけだ。そして日本が単一民族というファンタジーを信じて自民党を支持する国民もなんだかなぁで。
 ただ、確実に言えるのは、別に外国人労働者の受け入れの必要性を自民党が主張するのは、別に国民の生活のことを真剣に考えてくれているからでは全くなくって、単純に働く人が多ければ掠め取れる金の量が多くなるからってだけの話ということである。働かない国民は自民党に上納してくれないから見切るのは早かったでしょ〜?。再チャレンジ支援って結局言わなくなったじゃん。ニートやひきこもりのように低賃金で働きもせず、権力層に甘い汁を吸わせてくれないような人間は早々に切り捨てたいんだよ。教育して働かせようとしても無駄という風に見切っちゃったんだろうよ。彼らの教育に投資するだけ無駄ってね。自民党は心の底では「金にならない国民は死ね」と思っていると思うよ。そして外国人を受け入れても、地域社会が面倒を見る体制を作るわけでもなく、紛争がいやなら地域で勝手にやってください、手におえなくなると警察権力で金にならない国民から強制的に排除しますよというだけの話だろう。教育にしたって別に金をかけて体制を整えるわけでもなく、ぽんと教師に丸投げして、うまくいかなかったらまた教師のせいにして不適格教員認定をして国民の不満のスケープゴート&使い捨てにすればいいだけってことでして。たぶん外国人労働者が来て相互理解が得られなかった時が来ると思うんだが、その時に荒れ果てた社会で呆然と立ち尽くす今の日本国民の姿が目に見えるようだ。
 自民党の甘言に騙されてはいけない。今この瞬間にも負け組の金を掠め取っているではないか。