天保異聞 妖奇士 第24話「後南朝幻想」

 親の七光りで自分を神だと勘違いして世の中を思い通りに振り回そうとして、結局自分自身の見苦しさを露呈させてしまう…ってダレのことなんだろうね?。
 異能者ゆえにその強大な力を利用されてしまうアトル。落ちぶれた自分を持ち上げるために空回りする元閥と松江。そして無理をしてふらふら状態の竜導。結構ポエムを絶叫しあう朗読劇としては結構上手く出来ておりました。神の鎧説が本当がどうかは別として、それが自然科学なり社会科学なりの真理のメタファーかもしれず、もちろん統治術の1つなのかもしれないが、人間の強い欲望がそれを生み出した人間自体の能力によって周囲に多大な影響を及ぼすってのはさもありなんですな。現代では他人の力を糾合するってところが含まれて来るんだろうけど、マスメディアの発達していなかった江戸時代ならこのくらいが丁度いい。
 次回幕間とか言っていたが、もしかして休養を置いてまた2クール作ってくれるんかね?。コレからもあやしの活躍は続く…という意味ぐらいしかないと思うが。竜導達だけでなく、視聴者を含めた「我々の戦いはコレからも続く」エンドだろう。この出来じゃぁエンターテインメント希望の視聴者の食いつきは悪かったと思うのだが、いちおう続編を作れといわれたらそれが出来るような構成にはしているのかな?。どう考えても次で話を閉じちゃう気マンマンだが。
 小学生の学級回でいうところの「各人の心がけ」の主張ではあるが、説教くさくないといえばウソにはなるが、結構楽しみながら哀しみながらも日常に思いを馳せることが出来るという点に於いていい出来だと思うんだがな。やっぱり土六の内容ではないんかもしれんね。でも、いわばゴールデンタイムという衆目環境に晒してこその主張だと思うんだがなぁ…。つくづく打ち切りは残念である。