郵政造反組雑感

 自民党総裁選と同じく、これも国民のまったく手の届かないところでの乱痴気騒ぎ、別名重要法案を通すための目くらましに過ぎないんで、あんまり正直力を入れたくない。ただし政党政治の汚点ということについては考えさせられるものがあるので、ちとお付き合い願いたい。新聞サイトのどの記事を叩き台にしたらいいのか良くわからないのだが、そもそもどうでもいいのでこれでどうだ。
 郵政造反組12人が復党願、平沼氏は誓約書出さず
 安倍首相、郵政造反11人の入党手続き開始指示
 結局平沼議員を除く復党願いを出した御仁は、郵政民営化に反対して立候補・落選しているというわけなので、自民党としちゃ出来の悪いどら息子を受け入れるってことだろう。選挙区の住民がバカであろうとなかろうと負託に応えられなくて落ちたわけだから、自民党選挙対策というよりは、なりふり構わず自民党の力で議員になりたいと言うエゴイズムでしかないわけで。中川幹事長はむしろ離反組が帰ってきやすいよう頭を下げる方法を示しているだけで、組織の親分たる安倍首相としては前非を悔いればべつに反対することも無く、むしろ受け入れてやったほうが懐の広さを示せると言うだけのこと。問題なのは平沼議員なわけで、郵政に反対する立場で当選しているわけだから、負託を得てはいるわけです。だからむしろ自民党の支持層の中でも郵政民営化に反対する有権者の意見を代表する立場なわけで、問題はあるけれど平沼議員の復党を認めないということは自民党は自分の党内ですら少数意見を圧殺する政党だと思われてしまうわけで、そのイメージを払拭したいのなら復党は早々と実現すると思うのです。平沼議員が郵政民営化に賛成してしまうと、自分を支持して当選させてくれた支持層を裏切るわけで、絶対にできない相談だと思う。はっきり言やぁ、自民党は平沼議員だけを復職させるのが筋であって、そりゃ懐の広さを示すために他の造反元議員をいれるんだろうが、彼らに投票する人なんているんだろうか?。まぁ自民党にとっては彼らが当選しなくても心の広さを示せるだけでプラスになるので、放置同然なんじゃないかとも思うが。
 というか、別に今に始まったことではないんだけど、党議拘束ってそんなに民主的な政治に必要なもんなんだろうか?。別に同じ政党に属していても政策ごとに賛否をはっきりさせても法律上は問題ない。むしろ民意を反映するならそうすべき。まぁ確かにそれじゃぁ政党政治は成り立たないが。しかしまぁ今となっては死語だが、政治家は自分を投票してくれた人のほうを見て政党を利用するべきなのか、政党を見て投票してくれる人を利用すべきなのかは本来明らかだと思うんだが。
 蒸し返すようで悪いが結局郵政解散選挙では小泉元首相の圧力にほとんどの議員が屈服していたというだけなんだが、結局投票率三分の二、得票率二分の一(でも議席数は三分の二という大政党に有利なマジック)ということは大雑把に計算して郵政民営化に賛成したのは全国民のほぼ三分の一でしかない。自民党は金持ちの支持層が厚いと思われるのだが、実は年収一千万以上の金持ちは全体の格差社会の現実1 | 健康増進 病気予防 抗加齢(アンチエイジング) 長寿 統合医療 ダイエット 競技力 豊かさ 幸せ探求 - 楽天ブログ…5%ほどしかおらず、仮に彼らが全員自民党に投票したところでそれは郵政民営化支持層の6〜7分の1に過ぎない。むしろ金持ちは自分の利権になるのなら、応援している議員の所属がその時点で与党だろうと野党だろうと議員でありさえしてくれればいいので、影響力は少ないと思われる。むしろこの三分の一という数字が年収三百万以下のロウアークラスすなわち貧困層とでもいうべき層の割合とかなり近い*1のが恐ろしい。自分がなぜ低所得に甘んじているのかに考えが及ばず、郵政というより公務員を非難してその場の気を紛らせている様子がかなり救えない。まぁ議員さんに仕事をよこしてもらっている都合上、経営者が自分の社員に小遣いを渡して(というか金などわたさず押し付けて)票を稼げば三分の一なんて買収に難しい数字ではない。というか国民の三分の一が他の三分の二を押さえつける構造ってのは民主主義の国としてどうなんだろう?。多数決ですらない。もちろん三分の一よりはもっと自民党支持層は多いと思うのだが。
 で、その少数派がやれ復党は許さんといっている可能性が高くてなんだかなぁですよ。まぁ長々と書いてはきましたが、個人的には復党問題はホントにどうでもよく、勝手にやってくださいという感じ。役者としては平沼議員はケレン味があって劇場型政治を彩っているネェと感じるが、それ以上のものでもない。何度もいうようだが、こういう茶番を演じている最中にこっそりヤバい法案を通してきそうなのを厳重にチェックしたほうがよほど身のためになると思われる。おそまつさまでした。

*1:もちろん貧困層の大部分が郵政民営化の支持層であるべくも無いのだが