蒼穹のファフナー政治色

 今日はわりと余裕があったので、仕事中にもぼんやり蒼穹のファフナーのメッセージを考えてみた。
 やっぱりフェストゥムがなんのメタファーなのかがポイントになると思った。竜宮島は平凡だけれども幸せな(アルヴィス関連以外はだれもが質素な)生活をしていて、それを奪うのがフェストゥムなわけだが、このフェストゥムが人の話を聞かない聞かない。この作品が2004年で、郵政民営化選挙が2005年なんで、全く絶妙というしかないのだが、フェストゥムのあり方が、小泉つーより清和会自民党のやり口によく似ているのだ。
 フェストゥムは「あなたはそこにいますか」と問い掛けて、人がいると答えれば同化され個人としての自我を失い、いないと答えれば容赦なく攻撃される。郵政民営化選挙のとき、自民党内での村八分をおそれて小泉のやり口に同意した議員は、自民党の党議に同化され、政治家としての自分の意見を失い、小泉のやり口に反対した議員は対立候補を立てられ容赦なく攻撃された。全くこれほどまでに見事に先を予見していたという結果になっている。
 作品の最後ではフェストゥムと対話する様子が描かれていたが、あれも紅音の犠牲があったり、乙姫や総士が努力して人間の憎しみなり痛みなりを教えた結果であったりするわけなんで、本来フェストゥム側から歩み寄るという姿勢は微塵も感じられない。ここらへん塩川正十郎元大臣が貧乏人と一緒にするな発言をしたりと、はなっから貧乏人のことなんて考えていない様子がまたそっくり。
 物語の結末から言うと、フェストゥム自体は宇宙空間も含めて地球上から消え去っていることから、多大な犠牲を払おうと、良識ある日本人が一致団結してフェストゥムにあたる層をすべて消し去ってしまわなければ、日本の大切な部分(つまり、作品でいう竜宮島)を残すことができないということなんではなかろうか。
 ミールあたりは(アメリカ主導の)グローバリゼーションあたりだったりするのかな?。まぁいまや貨幣経済は全世界中で繋がっており、好むと好まざるとに関わらず、グローバリゼーションに巻き込まれてしまうのだが。ただし、アメリカというかユダヤ大資本主導の世界を草刈場と化すグローバリゼーションというのは決して肯定されているわけでもないと思う。乙姫が生命の生と死を理解云々と言っていたから、全世界の国々がお互いに共生しあう、人間に優しいグローバリゼーションの構築っつーのが提示されていたんじゃないかとも思うのだ。ユダヤ大資本の都合だけで第三世界が彼らに喰い物にされ、彼らの金儲けのためには貧しい国の民衆がどれだけ死のうとなんとも思わないというやり方を早くやめて、金融経済の仕組みの欠点を取り除きながらも、有効なところは利用して全人類が共生しましょうよと言っている風に読めなくもない。
 まぁ結局日本は郵政選挙ではフェストゥムの力に巻き込まれてしまったわけなんですが。