10年ボッタクリ法案が強行採決されたね。

 ドロボウが議院を乗っ取ると、参議院のフェールセーフも効かないという制度上の欠陥が明らかになった。これを参議院要らないとほざく議員がいたりするから、日本も捨てたものだ。アゲクの果てに
 【政治】中曽根康弘元首相、二世議員の増加に懸念★2
 なんかで、二世議員のほうがいいという書き込みまで見られた。まぁ大抵「おまえが言うな」スレになっていたわけだが。…というか、二世議員のおこぼれにあずかろうという選挙区の有権者がそもそもダメだとは思う。
 しかし、実際に国政なり地方自治なりの政策論議なり分捕りに関わろうと思えば、現状特権階級クラブに入るか、そのクラブに貢いで落穂拾いをさせてもらうしか手が無いんだろう。わりと住民に近い地方自治なら、気骨ある政治家が活躍できる余地はあるんだろうが、やれる事は小さいだろうしな。
 代議士の給料が少ないから、多く与えれば不正はなくなるのかと言えば、選挙資金が全然足らずに利権漁りになるのは現状を見ればわかることだし、かといって無報酬とかそれに近くてもやっていける金持ちが代議士になれば解決するのかと言えば、給料がもらえないんだったら最大限代議士としての特権を行使して利権漁りをするのは目に見えているしな(昔の中国がそうだったらしい。無報酬で役人をやるかわりに、賄賂取り放題…というか賄賂が行政官の給料だったりしたらしい。)。
 もう政治を改善するには、今いる特権政治家、特に世襲議員を皆殺しにするしか選択肢が無いということに気がついた。だが、政治屋・財界・ヤクザ・警察のスクラムはあまりに強大だ。日本の場合在日が駐留しているので、さらに可能性が低くなっている。まぁそのためのCIAの工作による自民党結成だったんだろうし。最大警察や自衛隊の内部に協力者ができたとしたら、政治屋・財界・ヤクザは一瞬のうちに撲滅可能なんだけど、在日が黙っていないハズ。横須賀や沖縄は別に中国・ロシアの牽制だけにあるわけじゃないのだろう。もちろん在日基地は日本各地に散在しているし。
 きだみのるのにっぽん部落を読了したんだけど、いわゆる「ムラ社会」のあり方が書かれてあって面白い。きだみのる自身はどちらかというと社会党系の人っぽいのだが、ムラ社会で生活しはじめて左翼の考えが机上の空論であると思っているのが見える。もちろん与党は全然信用していない。そこに描かれる日本のムラは(誤解を恐れず言えば)あまりに私利私欲が強くてしたたかである様子が描かれている。
 なぜ農村部で自民党支持が強いのか?という疑問があったのだが、'67刊行のこの本のなかでは、池田勇人で金儲けが出来たところから信頼が上がったように見えるが、それ以前はそもそも政府自体を信じていなかったようだ。警察はもちろんそうだが、一番嫌っていたのは税務署の役人だそうだ。まぁそうか。
 きだみのる自身の考えだと、この「部落」(=ムラ)が自治の最小単位であるように思える。そこには親方もしくは世話役と、平との関係があり、これが代議士と有権者の関係と近いのかな?と思われる。そこには互いにいうことを聞けば、いうことを聞いてももらえるという相互の関係が存在していたようだ。親方なり世話役が平に対してそれなりの事をするからこそ、平は世話役の言うことを文句を言わずに無条件に聞いたりする。
 先ほどの「農村部の自民党支持の強さ」についていえば、自民党議員に言えば、道路も通してくれるし、交通違反の揉み消しもやってくれるから、という面もあったろう*1。しかし、今の政治家と国民との関係はそうではない。政治家が一方的に貪るだけだ。
 しかし、かといって今風の言葉でいう部落でいう互恵関係を積み上げていって日本という国家を組み立てることができるのか?と考えた時に、もうそんな時代でもないだろうというのはひしひしと感じる。なにしろ今の日本にはきだみのるが40年前に記述した部落はもうほとんど存在しないからだ。あったとしても経済主体として非常に弱い存在でしかない。
 というか部落という単位から、経済成長期にその役割は企業に引き継がれるという過渡期を経て、今、その「部落より規模の大きい組織体である企業」が、終身雇用制の終焉、非正規雇用の増加、もしくは成果主義による内部崩壊によって、なくなってきているわけだ。気がつけば手頃な共同体がなくなってしまっている。家族ですら分断されてしまっているわけだ。自民党が非常に強固な組織体になっているのに対して(なにしろ造反が一人もいないのだ)、国民のほうは本当にバラバラになってしまっていて、自民党のなすがまゝになっている。国民の側で国民の代表を組織することすら出来ない。いまや帰る故郷なく、帰る家なく、企業は自分を守ってくれる存在ではない。むしろ自民党経団連→と連なる奴隷供給元だ。
 だから、そもそも日本がなにを産業に国内を回していくのかということに対して想像力を働かせることのできる人はほとんどいないんだと思う。そりゃ利権の甘い汁を吸っている人は手離すわけないしな。そのために25%の人間が75%の冨を独占するという格差社会自民党はしてきたわけだ。25%支持者がいれば、50%は選挙で寝ててくれればいい。3S政策で、バカなヴァラエティ番組に国民はうつつを抜かしてくれればいい。劇場政治B層が支持もしてくれるだろう。小選挙区制なので死票が多く出るわけで、野党は割れてくれればくれるほど自民党に有利だ。あの郵政選挙でも民営化賛成派は51%〜52%で、反対派は48〜49%だった。それでも衆議院は三分の二の議席を獲得できてしまうわけだ。
 というわけで、不人気森の後釜に森派のNo.2だった小泉を、喜んで支持してしまう*2バカな国民だからこそ、今解散総選挙があっても自民党はそんなに議席を減らすこともないだろうし、民主党政権に仮になったとしても国民を無理なく再組織化することも出来ないだろうし、国家運営のあり方もほとんど変わらないだろう。悪徳政治家をのさばらせないような保険が十分にかゝるシステムを考えるのは実は無駄なんじゃないかと思えて来たのだ。そうさせる力なんてのも初めっからないしな。

*1:道路関連法案の強行採決について言えば、今や都市型政党として生まれ変わった自民党が、今一度農村部の票田を漁るため、国民全体の懐から金を抜き取って道路工事にバラ撒くという側面があるんだろう。民主党が農村部に攻勢をかけているのを切り崩すためにも

*2:マスコミの演出、いや捏造なのかもしれないが