Re:CREATORS 第17話

 芸の ためなら、 にょおぼも泣かす〜
 チャンバーフェス始まるの巻。まぁ今回のキモはブリッツあたりで間違いないと思うんだが、こうあとから考えると原作者とキャラがメタ発言で応酬し合うのホントおかしい。まぁ自分がブリッツなら会話などせず問答無用でブチ殺すが、さすがにそれだと「お話」にならないだろうし。とはいえ、これ、入れ子構造というよりはメビウスの輪のようにフィードバックにもなってるわけで、なんやろ、最近でいえばポリコレ棒やコンプライアンス棒にも似たところがあって、キャラクターにも人権をとか言い出したらまぁそれもまた物語化したら面白いのかもとか思ってみたり。
 しかし原作者の駿河的には、娘を生き返らせるというシナリオについてどう思ってんだろ?、ある意味キャラの背景を台無しにする行為だと思うので内心忸怩たる思いがあるのではと思ったりする。チャンバーフェス成功のためにこゝは一つ主張を枉げてお願いしますよ〜というのと、「先生、この前の娘を殺させる展開は読者アンケートで評判悪かったんですよ〜、なのでこゝは一つ生き返らせる方向で」というのとあんまり違いはないと思うしなぁ。いや、そもそも娘を殺させる展開自体が「先生、こゝは一つ主人公に深い業を負わせるために娘を殺す方向で」というのがなかったともいえないわけなんだが。いちおう原作者が判断してそういう展開にしたということになっているけど、商業化する際には当然編集の意見はあるし、作品化の際はたとえそうであっても結果責任は読者的に作者が負うわけで。
 まぁテキストを世に問うてそれが売れるかどうかというのは確かに一つの作者読者間のコミュニケーション=承認力なのであって、そのマッチングに苦労するんだよという今回の主張はなるほどではある。でもまぁ原作者が良いと思って世に出したものが売れず、こんな情けないものが売れるとはというのがコナン・ドイルの歴史モノとホームズシリーズの対比にもあるわけで、そのへんやはり運であって、売れることそのものがその作品の優劣を決めるものでは決して無いというのがまたありはするんだけど。エンタメでは確かに売れることが正義だが、行間から本当にそれだけでよいのか?というものが滲み出ていることも多々有りはするしな。