宝石の国 第4話

 なんか性別がはっきりしないんだよな。
 鉱物たちはいちおう男らしいのだが、口調からは男女入り混じってるような気がする。さて、今回明らかになったのは、それぞれの陣営が人間から分化してそれぞれに進化したものではないかという仮説。月人が魂で、ナメクジが肉体と言っていたが、では本当に鉱物たちが骨なのかと言われるとちょっと俄には受け入れがたい。西欧哲学的には精神と肉体の二分法が一般的で、それは人間を過不足なく分ける方法としてそれなりに説得力がある。が、原作者がそれを踏まえた上でなおかつ三つに分けるにはそれなりの考えがあるのかなと思わなくもない。月人が精神を担当するというのだが、これはむしろ欲望に近いのかなという気がする。それに対応して鉱物たちは何か?と言われると、もしかすると精神を理性と欲望に二分したのだとすると理性担当なのかなと思わなくもないし、人間の骨の部分であって、永遠の命といっているからには、名声だとかそういうものを担当させているのかなという見方も考えられる。名声だとか評判だとすれば、それは人間に属しながら、精神や肉体のように人間の内部にあるものではなくて、人間の外部に付属するものだから考え方としてはアリかなと。ほんでもって鉱物を統括するのが坊主であるというのも、結局墓に残すのは魂でも肉体でもなく骨のみだから、たしかに管理者としてそういう役柄を与えているのも納得。まぁ月人が天敵がいないのに略奪という台詞だし、その略奪対象は鉱物といっても宝石のみのようだから、やっぱ名声なのかな。魂の位置するところとして天上というのは普通なのだが、これ、もしかすると月人は物語世界とは別に、特権階級だとか上級国民のことを暗喩しているのかもという気もするが、別にそれに特定しなくても人間一般の虚栄心でも素直に当てはまるので、そのへんは追々特定されていくのかも。
 そういやボルツって本当に存在する鉱物なんだな。非晶質の物質は別に珍しくもなんともないのだが、ダイヤモンドだと微細結晶どうしの間がどう結合しているのかを考えるとちょっと危うい存在にしか思えなかったから空想上の鉱物かもと思っていた。