サクラダリセット 第2話

 菫@悠木碧、てっきり@新井里美かと思った。
 やっぱオモロイ。自分はこういうリセットものというか世界改変系のものは好きではないんだけど、こう塊をそのまゝ投げつけられているような感じで、今のところは拒否反応が出ずにいる。結局都合の良いように何度でもやり直しができるとなったら、今その瞬間を真剣に生きないだろというのがあって、特にリゼロなんてのはアニメ化された作品を視聴して幻滅したぐらいだ。アレはとかく成功するためにリセマラみたいなのを繰り返してたから尚更。リセマラ回数が多ければ多いほど問題は困難だろ、察しろみたいな態度が受け付けなかった。こういうシナリオはリセットする前と後での理屈付け、少なくともリセットするだけの理由がシヴィアに求められる。まかり間違ってリセットする前のほうがマシだったということにするわけにはいかないからそのへんの動機づけの組み合わせを緻密に行わないと途端に陳腐になる。いちおう菫を生き返らせなかったという提示は、そのへんしっかりするよってアナウンスだろうからリゼロのような始末にはならないと信じたい。
 まぁ主人公が強引というか、というよりとてつもなく傲慢で、自分が信じた結末が正しいから周囲はそれに従えという態度が、客観的に振り返ると見て取れるんだけど、だからこそ純粋で美しいものになるんだなと感じた。こう薬学でいえば西欧医学の効能と漢方の対比というか。例えば漢方でいうと薬草には薬効成分もアレば毒の成分もあり、もちろん毒にも薬にもならないものが雑多に存在しているのだが、その薬効を引き出すために、毒の成分は他の薬草などで中和して、しかもその新たに加えた薬草にはさらに副作用があって…のそれぞれの成分を有機的に組み合わせることが重要だったりするわけで、これが清濁併せ呑むとされている大人の世界だとすれば、西欧医学は薬効成分、すなわち要素を抽出し、純粋化、100%にして、その純粋な成分のみの組み合わせで効能を発揮させるという考え。この作品が目指しているのは、そういう純粋な要素の組み合わせで人間の感情を表現しようとする試みなんかなとふと考えてみた。トラブルが起きるからにはなにかしら原因があるのだが、その原因は決して一つではなくて、仮に主要な原因を取り除こうとしてもその他の原因は複合的で除去が困難だとか、そもそも原因は個人では対処のしようがない環境に強く依存するとか、そういうものを考慮するのかしないのか、まぁその不可分な問題にぶち当たらせて葛藤させるからこそドラマになると思うので、むしろそれが目的だろうが、人というのは若者でなくても往々にして一面的な物の見方しかできないし、すべてを見通すなんてこともできないから多かれ少なかれ原理主義的にならざるを得ないんで、そのへんの塩梅がどうなるかは期待の範疇。
 しかし菫はおそらく山へは死にゝ行ったんだろうなとかいろいろ邪推してしまうんだけど、それについて確定的な物言いをしても無粋なだけなんで素直にスルーが正解だろう。もしかすると、この最初のエピソードが一番出来がよかったりするのかな。