終末なにしてますか? 忙しいですか? 救ってもらっていいですか? 第5話

 巻き込まれ体質なんじゃなくて、そもそも巻き込まれたいんじゃねぇの?。
 前回までのちょっとした整理と滅殺奉史騎士団を撃退するの巻。個人的には正義云々の話も掘り下げが足りないと思うし、そのへんラノベラノベでも本当にライトな層向けなのかな?という気がする。ロリ趣味の言及は余計な気がするし、全体的に説明過多の割には中身は薄いという感じ。外国人排斥の様子は確かに欧米のほうが暴力的ではあるのだが、滅殺奉史騎士団の主張があいまいで、台詞にあるのとは裏腹に彼らの敵に関するイメーヂがあんまり湧かないのはどういうことなんだろうとも思う。
 例えば歴史的に見れば、イスラムは他宗教に不寛容と思われがちなのだが、実際には税金を余分に払いさえすれば何の問題もなくて、西欧のほうが宗教の名の下に自国民ですら虐殺してきたという経緯があって、しかもその西欧は布教の名の下に数々の他国を植民地にしてきたわけだ。自国民が便利な生活をするために奴隷として酷い環境でこき使ったりしてきたのも西欧社会だし、近代化をなしとげ、市民革命を果たしたにも関わらず、相変わらず移民排斥運動が止まらないのも西欧社会だし、移民に仕事を奪われて、その元凶は自国の産業界によるものなのに、そういう構造に目を向けず、移民という弱者にそのはけ口を求めるという愚かな民族の集合体がまた西欧社会だったりする。世界中から富を収奪しつくしてなお、欲望が止まらず他国に侵略を今ですら継続しているのも西欧社会だったりするわけで、排斥する側のほうに原因があり、責任があるのに、暴力的な行動に出ているという矛盾をむしろ西欧の政官財は歓迎し、自国の分断統治に使っているという構造があって、そういうものに少しでも触れているのか?と思いきや、視聴者に感情移入しづらい獣の姿にしつらえて、あくまで悪役なんですよという強調をしてみせるというのはまやかしなんじゃねぇの?と思ってしまうのだが、まぁそのへん深くツッコんでもなという。で、いかにも視聴者が感情移入しやすいよう人の形をした主人公側は、世界でいうところのどの勢力なの?というのを考えても、そのへんアイロニーを効かせているとも思われないし、主人公がリアリティ薄いながらも他人に関わろうとする場面を利用してケースゝタディという風にも見えないしで、トラウマだとか不幸な環境に同情させるといった感情のスイッチを多用しているだけのように今のところは見えてしまうのがちょっとしんどいところ。