無彩限のファントム・ワールド 第4話

 前説からはおそらく家族システムの話だと思ったんだけど…。
 フツーに個人的な事情という話だった。しかしそこに踏み込むとなればどうしても政治による個人分断化による家族崩壊ってところに立ち入らざるを得ないから、素材としてどうにも使いづらいし訴求力も考えもの。が、地縁血縁集団としての共同体がマクロとしてみると崩壊してしまっているから、個人としては家族の理想像は個人の想像に頼るしかないという現状もある意味取り込まれているのであって、そのへんよく処理したなといったところ。
 個人の願望した時空に取り込まれるって形自体は珍しいものでもなんでもないが、ドラマとしての処理は今回は感心するほど出来がよい。登場しなかった姉は、エピソードゝして示されなくてもキャラの言動できちんと補助線が引けて関係性が把握できるようになっていたし、この問題は玲奈自身が解決すべき問題であって、主人公の叫びも効果を発揮したものゝ、きちんと自分で踏ん切りをつけ、その顛末として彼女のファントムイーターとしての能力を発動させたというものであったことなど、ちゃんとテキストを練った感じ。尺は短いようなんだが、構成要素は適切に配分されてもいて見ごたえがあった。