無彩限のファントム・ワールド 第1話

 端正な作画と思ったら、割と容赦なくデフォルメ描写をするんだな。
 ちょっとお色気目的で視聴。ファントムだかゴーストだかは人間の作り出した幻想だとか言っていて、そのへん方針は明らかにしてるっぽい。とはいえ、電柱というモノを初回に登場させて付喪神ってのも誰の幻想なのかあやふやで、そのへん小手調べとしては無難な選択なのだろうか。トラブルシューティングものは自分的には好みではあるんだけど、以降ファントムを作り出した人間との対決になるのかどうかってのがちょっとした楽しみ。
 物の怪をスケブに描いて取り込むってのはいかにもアニメらしい。本来この作業は人間が言語化してそれが受け継がれていたはず。人間を不安にさせるものを形作るためには他人に伝えることができるものとして具体化しなければならない。で、説明もそうだが象徴的なのは「名付ける」こと。それを絵にするというのはいかにも現代的かな。退治の方法も、運動場で対決したものは弱点を課すのに対して、電柱では意に沿う形と対照的なのもなにか含むところがあるのだろうか。
 あと、電柱の件では日本特有の習俗でなくてリンボーダンスだとか、電柱という工業化の産物を対象にしているなどごちゃまぜ感が半端ない。こういうのは日本の伝統をふまえてないとか文句をつけてもよさそうなものだが、むしろ日本が節操なく他国の文化を取り入れる性質であるし、おそらく物の怪の表出形や課題は対峙しているキャラクターの内面を反映するとでも考えたら説明がつくので、そのへんも現代的というか。