ハイスクール・フリート 第8話

 この作品の場合、SFはサイエンス・ファンタジーとでも訳さなくてはな。
 世界設定がお花畑なのは百歩譲っても、生体電流で電波を発信して人間同士をコントロールってな…。生体電流はデンキウナギの件があるから使うのは不思議ではないんだけど、デムパで生物がコントロールされるってのはトンデモなのでちょっとなぁ。べつにそういうウソ科学をでっち上げなくても、人間が自我を喪失して攻撃的になるウィルス(というのもあまりよろしくないが)程度でも十分パニックものに仕立てることはできるのでは?。あまりにリアリティのない現象を持ってくると、視聴者が馬鹿にしてしまって恐怖を脅威と感じなくなるのではないかと思うのだが。
 岬艦長が、海の仲間は家族っていうのをしょっちゅう口にもし、そうあるべきと行動するというのも、彼女が海難事故で家族を失って、その代替としてということらしいから、それにつきあわされるクルーもなんだかなぁと思っているんじゃなかろうか。船員たるべきものそうあるべきというものと個人的事情をいびつな形で重ねてくるところはその押し付けがましさも大概にせえよという気がしてならないのだが、そのへんは萌えキャラで押し切れると考えたのだろうか。
 ストーリー上の歪はともかく、人間関係から、これは例えば日本の縮図なのだろうかということを考えてみても別にそんな感じではなく、フツーの海洋モノにありがちな関係性だし、本当に益々海軍よもやまばなし的な楽しみ方しかできないのかな。なんか唐突に思い出してしまったのだが、海洋近未来モノとしては光と水のダフネのほうが(バカバカしいけど)まだ設定では上のような気がしないでもない。