ろんぐらいだぁす! 第5話

 仲間礼賛はサイクリストからすると賛否両論だろうな。
 どうも次回からはチーム結成って流れのようだから、チームを組むのならそりゃ仲間礼賛はわかるんだけど、旅行の道具としての自転車という側面からは、別に仲間がいようと一人だろうと自転車にその要素を絡めるのはちょっとなという感覚。旅行するのに一人旅がよいならそれでよし、仲間とわいわい旅行したいならそれでよしであって、自転車なら仲間必須ではないはず。とはいえ、今回のようなトラブルだと、初心者がパンク修理できないってそういう要素を抜きにしても複数人数いることには確かにメリットはある。ブルベに参加という伏線は張ってあるし、そのへん別に話運びとしては順当。
 やっぱライトなんかはお古をゆずったのだなというところはほっこり。完成車で10万ほどならおそらくフレームはアルミだろう。ブランド名は語尾を変化させていたが、どう考えてもスペインのオルベアであって、まぁ割と定番的なメーカー。とはいえ、アルミフレームをスペインで作ってるのではなく、メイドイン台湾で、それをメーカーがブランディングしているってことだろう。台湾だから質が悪いってワケでなく、むしろ逆。鉄フレーム全盛の頃はイタリア製であることがさぞ高級であることのようにいわれていた時代もあったが、イタリア製のフレームは精度が悪く部品組みつけの際は修正が必要だということが笑い話のように言われてた。その点台湾製は買ったそのまゝで部品を取り付けても十分なので工作精度はよい。
 そういやマキノサイクルファクトリーのサイトに行ってみたら、パカさんの声あてをしている声優がフレームを作ってもらってた。マキノでフレームを買ったという他の人のレヴューだとカーボンフレームを絶賛しているところもあるのだが、彼女が作ってもらってたのはてっちん(鉄フレーム)。せっかくマキノでフレームを調達するのなら、牧野氏にトーチを握ってもらうのを条件としてやはりてっちんだよなと思うのでなかなかわかってるなという選択。スチールフレームのほうが重くてカーボンより反応性は少し劣るだろうけど、価格がヽーボンフレームの半額だということを差し置いても、おそらく牧野氏の寿命を考えると今のところ彼の手によるスチールフレームのほうが価値があると思う。自分も乗ってないフレームが溜まってるからもうフレームを購入することもないだろうが、次何かを買うとしたら個人ビルダーのフレームが候補に挙がる。余計なことだが、カーボンフレームは割れたら全とっかえになるが、鉄フレームだと溶接技術で修正が可能。もちろんカーボンフレームもカーボンシートを貼って修正することも可能だけどあんまりお勧めしない。鉄でもパイプが薄い最新のものだと溶接だと穴は防げてもパイプが歪むのでこれまたあんまりお勧めしないという感じにはなってる。どのフレームでもプロの選手だと、一万㌔〜二万㌔で腰砕けになるから基本フレームは使い捨ての世界だし、個人のツーリングでもっと寿命は長いと考えても、これはどう乗ってもダメだわという程度まで使い倒せばどっちにしろフレームは新調ってことになるから、あんまり一生を捧げるフレームって態度でなくても全然構わないんだけどね。とはいえ、使ったら消耗するようなワイヤーやゴム部分ぐらいのとっかえだと、自転車ってのは贅沢言わなければそんなに本体のメンテにかゝるコストが高いってものでもないと思う。チェーンオイルなんかも1000円ぐらいする高価なものでも効果は体験できるほどでもないし、百円ほどので十分だし。そのへん、自転車に愛着を持って部屋置きして絶えず磨いている主人公のメンテナンスの態度が一番自転車にとってよいということになる。