霊剣山 星屑たちの宴 第8話

 王陸が汗をかいて自分には辛いからみんなが休んでいるときに先に出発するというのは、欺きだと思っていたんだけど。
 王陸、見事に薬草を手に入れるの巻。あとデブへの剣の指導をするというところ。このへん文化の違いというか、かつては日本が輸入もし、大いに参考にしていた中国古典の考え方のような気がするな。かつて日本が手本にしてた中国といえば、礼儀に関してもそのはずなんだけど、それに関してはあんまり日中共通の印象はうけなかったな。
 剣の実力についても段位級位の違いでなく、違いの本質は別にあるってところの考え方も面白かったな。テキストゝしては、おデブちゃんが決して馬鹿なのではなく、彼もまた問題の本質にたどり着く力があり、それに関して向上できる人間として描かれているのが面白い。日本の漫画だと、大抵カーストの低いキャラは最初はなにもかもがダメで特訓で全てが磨かれていくという体裁をとることが多いんだけど、そういうのに慣れているとこういうスタイルが新鮮に目に映る。かといってAパートの薬草探索のシーンでは役に立たない三人も描いていてそのへんはメリハリが感じられる。
 おデブちゃんが父親を罵倒されて怒り心頭に達するってシーンは、中国人は親を馬鹿にされることを特別に嫌うって特性を知ってないとポカーンかも。といっても現代の中国人の全員がそうかどうかはわかんない。親を馬鹿にされると人が変わったようになるというのは中国ではお約束といった扱いのはずだから、そのへんは個人差云々よりそういうもんだと素直に受け取ったほうがよいとは思う。
 うーん、作品全体のクォリティは荒削りというよりは雑といったほうがよいほどではあるんだけど、テーマに関しての言及や文化の違いで十分楽しめている。おそらく脚本はネットのコミカライズ版を基本に、足りないと思うところは小説からも引っ張ってきているようだけど、敢えて日本ローカライズはせずに(中国では同じ絵で中国語に吹き替え?で放映しているからローカライズは構造的に無理なはず)いるため、やはり日本人には視聴がしんどいところ。まぁ全部を理解しながら視聴することも無いやと、拾い食い程度の視聴でよいなら、それなりに楽しめるんじゃないかな。