蒼穹のファフナー EXODUS 第5話

 ヘルメットは余計だろ。
 島への敵の侵攻と、敵との対話が可能とされる地点への出発。前半の先頭シーンは、前線の兵士が作戦に口を出すという、ブラックホークダウンに見られた形式。全域モニターの可能なところなので、指示者が状況を把握できないなんてことはないんだけど、敵と対峙する本人だからこその判断が生きるという形を示したいといったところか。前線の提案を了承する指揮官というのもブラックホークダウンすなわち現代合衆国海兵隊のあり方だとは思うんだが、これがその海兵隊を手本としているはずの日本軍とは正反対という。軍でなくても現場を知らない管理職が自分の面子や手続きのために逆に頓珍漢な指示をして現場を振り回して状況を悪化させる大概の日本のあり方を皮肉ってるのは明らか。
 初出撃でヴェテラン顔負けの動きを示す新人ってのも、何を示したいのかわからなくもないんだけど、そのへんはさらなる実戦で経験なしでの取り組みが新人たちを苦しめるという展開を考えてのことかも知れずでなんとも。覚悟だとか軋轢、それこそドラマに詰め込めそうな要素がきれいに詰め込まれてその整然とした様はさすがというしかないんだけど、あまりの手際のよさにスルーするのも多くて困る。明らかに尺は短いんだけど、それを極力感じさせない演出というのもさすがというか。まとまりすぎていて重みが足りないのはご愛嬌かねぇ。