弱虫ペダル 第3話

 あ〜、わかるわ〜、あの水のうまさ。
 普通だったらロードレーサーの今泉と終盤デッドヒートってなわけにはいかないんだけど、微妙に理屈付けがなされていて妙に感心した。作中ではそうだと触れられていなかったが、主人公のマヽチャリの前ギア、小さいのに変えられていたという話だ。ギア比が小さいとペダル一回転ごとに進む距離は短いので、スピードを維持しようとするとペダルの回転数を上げなくちゃならない。逆にギア比が大きいとペダル一回転ごとに進む距離は長いが、スピードを上げようとすると力が要ることになる。つまり、ギア比が小さいと力は要らないが速く回す必要があり、それは心拍トレーニングになる(逆にギア比が大きいと心拍ではなく筋力トレーニングになる*1)。行き着く先は主人公は毎週の秋葉原通いで心拍トレーニングをやってたということになり、それが坂道でのメリット(高ケイデンスでプロが優勝したとか薀蓄が作中にあった)につながったということらしい。
 しかしなんだな、自転車の描写がやけに細かくなってるな。昔のアニメだとスポークが回転するところなんて描きもしなかったと思うんだが。まぁよく見てるとキャラがペダルを回す足なんてCGモデリングだし、自転車もおそらくそうで、画面全体や自転車自体を揺らしたりして臨場感を出しているっぽい。さすがに車体を手描きするのは死ぬだろうな。
 物語的にはいや、なんだろ?、主人公が本当に求めていたものは友人であって、別にアニメを媒介することではなかったという方向のようだな。で、その目的は達せられたというかきっかけが得られてという段階で、正直これで物語(の半分)が終わったようなそんな気がする。なにか光るものを持っていればその筋の人から目をつけられて仲間を得るとかそんなのか。ヘンな話、人間というのはなかなか自分の隠れた才能なんて見つけられなくて、他人が見出すものであるってのはなかなか考えさせられるものがあるんだけど、いやいやでも隠れていようといまいと才能なんてそうそうみんな持ち合わせているわけでもなく、持っていても大抵埋もれさせて人生終わるって人が大半だよね。でも、じゃぁ自己アピールができればそれでよいか?っていうと、そんなことも全くなくって、自称「自分はできる」っていう人がわんさか社会には居て、そういうのに限って場を荒らす迷惑な人だったりするんだけど。

*1:心臓の疲労はすぐ回復するが筋肉の疲労はすぐ回復しない。だが、心臓を鍛えるのは難しいが筋肉を鍛えるのは負荷を上げさえすればよいので簡単ということらしい。