アクセル・ワールド 第17話

 なんじゃ、その展開は。
 いちおうハルユキの復活成るってことでいゝのかな。能美でなくとも、ちょっとハルユキとタクムの友情描写はねちっこいん*1だけど、こゝは復活の凱歌を上げるとこなんでこんなものかなとも思わなくもない。チユリの乱入で能美のバックアップってのは、まぁ水を差すなとは思うんだけど、チユリのバーストリンクへの参入動機が「ゲームは楽しくやるべき」なもんで、なんとなく行為の理由が理解できなくもない。
 しかし、次回予告だと黒雪姫の沖縄行でのバトルらしいので、これが???だ。今までにそういう伏線あったっけ?。が、なんかOP絵で出てきた新キャラが一気に露出するみたい。となると、以降のストーリーはこの流れが最終回まで続くってことになるのかな。能美の背後にある集団が明らかになるまでが一つの山なのかね。
 能美のテストでのズるもなんだかなぁで。時間を稼ぐだけだったらそれほどカンニングとも思わないんだが、要するに考える時間がゆっくりで、もたもたしてるってことなんだろうね。そういうのが加速を使って思考時間を増やすのって、元からの考えるスピードが弱いって事なんだろうか?。それともやはり外部から情報を拾ってくるというカンニングそのものをやってるってことなんだろうか。戦いの最中での能美の台詞を聞けば、もうバーストリンクプログラムを現世利益の追求手段としてしか利用しておらず、もうゲームとして破綻しているって感じだねぇ。
 もし黒雪姫がレヴェル10になってゲームを終わらせる理由ってのがこのゲームが現世利益のためにズるをするというものに成り下がってしまった状況を終わらせるってことなんだろうか。あんまりそういう状況を憂えているという描写がなかったので確信ってほどでもないんだけど、そりゃそういうのは胸に秘めておくべきことなんで、ハルユキたちに語ることもないだろう。そういや黒雪姫は自分の目的の真意を語っていなかったし、バーストリンク世界での戦いのおもしろさ云々については少しも触れていなかった。黒雪姫は見る限り、ハルユキ(特に人間性か)に本当に惚れているようなので、バーストリンク世界を二人の居場所と考えていてもよさそうなんだが、そういう要素が見られないんだよね。ゲーム中のことで済ませられるのであればゲーム世界がある程度殺伐としていても、人の出入りで沈静化する問題だし、もはやそういうものでもないんだよね。
 しかし、そういう状況を振り返ってみれば、昔は日本を豊かにもし、従業員を養ってよりよい社会の要素でもあったのが、もう政治に巣食って日本を喰いものにしてしまうだけの大企業システムとか、それこそ学力を上げて職業保障だけでなく社会に有用な人材供給をしてきたのが、いじめで内部統制も取れず格差拡大にしか寄与しなくなってしまった学校システムだとか、実はそれほど昔から有効に機能していたわけでもないんだけど、政治屋が己の欲望を満たすその理由付けとしてしか機能してない民主主義システムだとか、理念だけは立派なんだけど、もう存在自体が害悪でしかない現実のいろいろな社会システムとバーストリンク世界ってのは酷似しているといわざるを得ない。もちろん社会システムが既に社会を傷つける存在に成り下がったとしても、その中にいる人々がみんな正気を失っているわけではないんだろうね。でも現実の上部構造にはそういうのはまったくといっていゝほど見当たらないんだけど、アクセルワールドにはまだトップに正気を保ってなんとかしようと格闘している人がいるって描写になっているわけだ。まぁアクセルワールドの場合、全部御破算にすれば害悪を撒き散らすことは止むんだけど、現実社会は破壊の後の再生が必要だからねぇ。あれほど達観したスカイ・レイカーが世捨て人になってしまって自分から世界に働きかけるということはあきらめてしまっているし、黒雪姫はもうバーストリンク世界の再生は考えてなさそうだし。

*1:普通男だったら自分が何をやったか確認をすることは、ツーカー同士では行わないと思うんだが。まぁ視聴者向けに説明の必要があると判断したのかなとは思うが。