アクセル・ワールド 第5話

 あの素人声、原作者なのか。
 前回の次号予告でハルユキが飛ぶことはわかってたんだけど、あの世界では初めてだとはねぇ。そういやシルバークロウということで、自分はずっと銀の爪だとばかり思ってたんだけど、よくよく見てればずっとcrowって書いてあるじゃん。いや、銀の烏とわかっていたとしてもこのタイミングで飛べるようになるとは思わなかったケドさ。
 終わってみればなるほどゝは思うんだが、タクムとの戦いで足を損傷…というより取れるまで壊れるとは、あまりにもやり過ぎと思ってしまった。最后の必殺技どうしの激突でも、まさか受け止めるんじゃなかろうなと心配になりながらもハルユキはちゃんと躱しており、なんのかんの言っても要所を外さない展開にしているので、胸をなでおろすという結果になる。視聴者として「やってはいけないことをやらかさないか」という心配をせずに済むような流れにして欲しいなと思う反面、物語を好む視聴者向けには単純な構造にしておかないとついてこなくなるので仕方がないってところもあるのかな。少なくとも総合力で劣るキャラが巧緻を尽くさず総合力勝負で大雑把に勝ってしまうという構造にだけはして欲しくないわけで、でもそういう構造を拝借しないと支持してもらえないかもってのはなかなか難しいところではある。
 しかし、かといってなんか面白いのがアニメとしてのこの作品のキャラ造形なり背景なんだよな。OP動画を良く見てみれば、主人公キャラが倒れるところを描いており、普通は大体どのキャラも見せ場ということで格好をつけたところばかりしか見せないわけで、その辺メッセージ性が強い。もちろんED動画はモロそうだしな。現実ではヘタレと自覚しているハルユキというキャラを、むしろ彼にとって有利な場であるはずの仮想社会で傷ついているという姿にしているわけで、仮想社会だと数字のてんこ盛りでなんとでもなりそうなものをそうしていないところに気負いが感じられる。基本ロボットものだから視聴者は見栄切ったところを見たいはずだろ。
 シルバークロウの造形がまたね。仮想社会だからまぁ見かけの構造を現実の物理法則と一致させなくてもいゝんだけど、普通装甲は体幹部分を覆うのが基本だが、腹部から腰部にかけてはほゞ曝け出すというものになっている。もちろん機動性を重視しているキャラなので、腹部から腰部の捻りを運動に反映させるためには装甲で覆ってそういう動きを阻害しないということでは理屈に適っているわけだが、ロボットなのに敢えて人間の肉体性を想起させるデザインにしているところなど、やはり仮想現実とはいえ、描いているのは人間そのものであ(ってギミックではない)るというのがわかる。原作イラストからしてそうなっているのかもしれないが、少なくとも主人公の造形においてそういう志は高く評価せざるを得ない。