貧乏神が! 第4話

 いや、結局誰なのよ、撫子って。
 あんまりそこにこだわってもしょうがないんだけど、やはり気になるのはなぜ一子に幸福エナジーが集中するのかという点。ステレオタイプながら、一子はよくドラマで描写されるワンマン社長のようであり、であるならば、なんか幸福エナジーというよりは強引にリソースを奪う姿に近い。要するに自分の欲望に忠実ってことなんだよね。執事の手紙にこだわる様子は涙を誘うんだけど、彼女と執事の関係を知らない他人にとってはその価値がわからないものだ。あくまで執事の愛情があってこその一子の執着なんであって、見方を変えれば身内だけに示す愛情なのであって、我欲の範疇に過ぎない。
 結構面白いのが一子は金持ちなんだけど実は心の優しい人間であるという形をとっているように見えながら、自分の感情に奔放に生き、外面をとりつくろうのが息をするレヴェルで自然に行えている存在であって、別に彼女自身は友人が居ない寂しい娘というよりは、その自覚がないというのに近い。反面、人に不幸をもたらす貧乏神が、紅葉のエキセントリックな性格で厄介者という外見であるにも関わらず、むしろ公平な存在であるということ。すなわち貧乏神は「善」なる存在なんだよね。で、一子は救われるべき存在のように見せかけて、実はそうではないらしいというのも窺える。いや、もちろん物語の形としては救われるという形になるんだけども。
 で、今回初登場の犬神がミスリードするのなんの。彼はオブザーバーでしかなくって、あまり新しい視点が得られなかったのがちょっと残念。いや、エンターテインメントとしてはよく出来ているんで、退屈することは無かったんだが。