クイーンズブレイド リベリオン 第12話

 メローナになんじゃこの結末はと言わせているな。
 結構面白かったな。メローナじゃないが、普通の人だと、クローデット一人にアンネロッテ側が全員かゝっても太刀打ちできず、レイナが出てきてデウス・エクス・マキナかと思って見ていると、途中で寝ちゃうし、クローデットは呆れて退場してしまうしで、非難轟々だったんぢゃ?。が、クローデットのゲームバランス崩れるパワーの強さ(剣を振り回しているだけの能無し)は特権階級の権力の強さをあらわしているだけだし、前回のクイーンズブレイドの優勝者レイナじゃなくクローデットが女王になっているから正統性に問題があってレイナを目の前にすると何も言えなくなってしまうこと、つまりクローデットの抑え役はレイナしかいないこと、レイナがクローデットを負かしてしまったら民衆のメタファーであるアンネロッテ一行は自力革命をしたことにならないからそれを避けたこと、女王としての正統性の無いクローデットが正式な女王レイナと民衆のメタファーアンネロッテを両方倒してしまうと、クローデットが統治したい国・民衆全体を敵に回すから退場せざるをえないだろうという理屈付けは容易に頭に浮かんだので問題ない。
 なんか早々と切り上げて総論に移りたいのではあるが、ダラダラ書いてみることにする。
 ちょっと気になったのが、前作までの登場キャラが和気藹々とやってたこと。メローナの悪事に本物のユーミルが他人事だったので「オヤ」と思っていたのだが、どうもクローデットあたりにもそういう態度。
 アンネロッテのまだまだ未熟発言にも引っ掛かった。地方の疲弊を実感して実戦経験も無いわけじゃなし、女王を倒す資格が無いというものでもないだろう。闘士としてクローデットより強くなければ、クイーンズブレイドというシステムでは評価されないからってのがあるんだろう。クローデットの意志が明らかになった今、アンネロッテは女王を倒すだけじゃなくて、女王になることも決断せねばならず、倒しておしまい、ハイさよならってわけにもいかないんだろう。真の女王レイナより弱いクローデットすら倒せないのであれば、女王の資格なしってことなんだろうな。
 で、クローデットにはクローデットなりの統治する理屈付けがあるのかと思ったら彼女の言によれば無いとの事、自分の予想が外れてしまったのは残念な限り。かといってクローデットの台詞をそのまゝ信じてよいのか迷う。おそらく作品舞台は日本であるわけなんだが、ついついそういうのを忘れて今シリーズの舞台が全世界と勘違いしてしまっていた。おそらく大陸の他にもいろいろな国(沼地の女王とかそんなんだろう)があって、気を抜くと外国に蹂躙されるという設定なんだろう。たとえクローデットが悪政を布いていて、それを倒して目に見えている世界が幸せになっても外国に侵略されては元も子もない。おそらくクローデットの強大な力は外国の侵略を食い止めているとかいうのが描かれていないけどあって、というのが背後にあるんだろう。だから、もしアンネロッテが強ければクローデットは安心して女王の座を明け渡すつもりがあったのかもしれない。が、弱かった。キレイ事を抜かす割には口だけってことなんだろう。日本の政治屋とか見ると50代〜60代のがたくさんいて、これまた権力のガリガリ亡者なんだけえど、じゃぁ市民運動家あたりがしゃしゃり出てきたとして、そいつらに任せられるか?と言えば、空き菅という立派な失敗例がスグ浮かんでくる。まだまだアンネロッテは空き菅レヴェルだということ。…と考えるとしっくり来る。
 まぁ最終回の構成として、クローデットとの戦いでほゞ消費しちゃって、あとは象徴的なアンネロッテたちの集合シーンで終わっちゃった。アクションに気合は入っていたんだけど、それに意味があるかと言われるとちょっとなぁ。でも結局言いたかったことはアンネロッテたちには足りないものがあって、それは日本のだらしない政治に飽き飽きしている国民というか視聴者に重ねられていて、もっと考えろもっと助け合え*1というメッセージは伝わっていたと思う。
 レイナの眠り姫の呪いとか、海賊や剣闘士の出番がなかったこと、いろいろな伏線が回収されてないから続編は作れるような構成になっていたと思う。もちろん民主盗政権に変わってからこの体たらくという現状を活写することにも成功しているし、おそらくこの日本のグダグダな政治状況は長らく変わらないから明るい展望・結末にはできないだろう。その上で変えることが出来るのは視聴者を含む国民の戦い次第だというメッセージも最后キレイに収められていたので言いたいことはちゃんと言えていたと思う。人気が出て予算が下りれば続編だろうし、こりゃムリだということだったらこれっきりだろう。
 うーん、なんかダラダラ書いているうちに総評に入ってしまっていた。自分的には面白い脚本だったし、後半十分楽しめたんだが、なにせ前半のダレ具合、過剰なエロ描写はちょっとなぁといった感じだ。言いたいことも多分半分の話数で事足りると思う。続編があれば積極的に視聴対象にしたいぐらいなので自分の中では評価は高いんだが、そうポンポン高評価を出してもってところでおもろぐらいが適当か。

*1:ぶっちゃけ言えば、合衆国らの分割統治に負けるなってこと