モーレツ宇宙海賊 第4話

 どいつもこいつも腹芸かよ。
 まぁ、フツーのドラマだったら隠しちゃう思惑を明け透けに説明するのは笹本祐一の芸風というか、いやSF設定(しかもサイエンティフィックというよりはサイエンス寄り)を視聴者に理解させるためではあるんだが、大体そういうのがSFとしてのかっこよさの表現方法だったりはする。本当にリアリティを追求するんだったら、BPSのように、想定される状況はすべて押さえた上で、あとはその時が来たら一瞬で勝負がついてしまうのが電子戦なんだろうとは思うんだが、そういう風にしちゃうと燃えないからな。リアリティついでに言っておくと、(おそらく最新鋭の)ステルス高性能艦を用意できるリソースがあるってだけで勝負はついているし、じゃぁそういうリソースを持っている組織がわざわざ、いかに飛びぬけた才能を持っているとはいえたかゞ女子高生の乗っている機動力が最低の練習艦の、しかも練習航海中に仕掛けるのか?とありえないことばっかと言えばキリがない。
 しかし、次回茉莉香決断するって言ってるが、海賊になることを決意するといった意味だったら、なんでこの流れでそうなるのか…ってのがよくわかんないな。とはいえ、そうだとするとそれなりに納得のいく理由を用意してそうだが。で、今回のみどころはやっぱり理想の目的集団ってのがテーマなんだろう。遭遇した危機に、組織としていかに早く状況を把握して的確な判断を下し、最善の行動をとれるか?ってのが凝縮されている。女子高生にこういうことができるってのはファンタジーでしかないんだけど、どう考えても女子高生は皮の要素でしかないんで、そこはスルー推奨っていったところか。この作品が書かれたのが恐らく民主党政権交代前ではあると思うんだが、現段階としてもありとあらゆる政治集団、大企業、官僚など、日本の9割の組織が激動の時代に適応できないだけでなく、保身に走って状況をより悪化させているのを眺めてしまうと、なんでこういうあたりまえのことが出来ないかね?と思わざるを得ない。でもまぁこういう教科書的な模範を示しても、結局のところ今の日本のエスタブリッシュメントには全く届かないわけなんだが。藤原直哉が今週のネットラジオで言ってたように、もう年寄りに期待するだけ無駄って段階に来てるんだよな。だから女子“高生”なんだろう。