日本アニメの世界戦略?。

 CXは別に売国奴じゃない。みんながユニクロに行くようなもの : ニセモノの良心 魚拓
 ん〜、最近時事問題についてご無沙汰してるのかなとか思いつゝ、実ははてブでチェックしてコメントをつけることで満足してしまっている。転勤してからんHK夕方のニュースもほとんど聞かなくなったし、かといって日本は問題が山積みだと思う。藤原直哉のネトラジも当たり外れが顕著になってきて、まぁそりゃぁ急に日本が変わるなんてありえないことではあるんだが、せっかく自民盗政権が倒れたんだし、もっと一息つけるようになって欲しかったというのもある。で、魚拓を取ったついでに言及しておくと、ヤフーのニュース、魚拓が取れなくなってるのな。新聞社のサイトもそうなってるのが多くて、そりゃ営利企業だからわかりはするんだけど、なんかもったいないというか、もう社会の公器であるってことを放棄してるんだなと思うと悲しいものはある。どうでもいゝ前置きが長くなった。

まぁ要はコンテンツ業界のユニクロ。すげー安くてそこそこ品質がいい。
しかも、韓国ドラマは日本の少女マンガに源流を持つため、「日本人受けする」コンテンツが多い。
F2-3層とはいえ固定ファンも多く、コンテンツによる数字変動が少ないため、長期数字としても読みやすい。

 エントリー自身は韓流ドラマについての言及だ。とにかく韓流ドラマってのは安いらしい。※でも書いたが、自分は韓流ドラマは日本の'80年代ドラマの焼き直しだと思っていたので、源流が日本の少女漫画にあると聞き及んで、そうなのかと今さらながらに知った。ということは、むしろ日本で言えば'60年代ぐらいの風俗を描いているのかもしれない。自分は詳しくないんだが韓国といえば、日本より上下関係が厳しく、男尊女卑であり、かつ徴兵制がまだある国という印象だ。確かに戦前戦中の日本が敗戦により割と国民が自由になったのを実感し始めた'60年代に少女漫画が流行ったわけで、やはり軍事政権であった全斗換政権から数十年経って韓流ドラマがあちらで流行ってのはなるほどゝ思うところがある。
 で、アニメだ。

逆に公共の電波というお題目で編成権の自由を奪って外国ドラマの編成を禁止する「重商主義」みたいな話になれば、日本のコンテンツの諸外国への販売は困難になってしまう。要は唯一世界で戦えている「アニメの外国への販売」の弊害になる。
そういう鎖国みたいな文化保護国策は、例えば昔に韓国とかやってたけど、圧倒的な文化格差があって門戸を開くと自国文化が蹂躙されかねないようなフェイズで採用されるような政策で、そんな低文化国のコンテンツなんか誰が好き好んで買うかって話になる。

 日本のアニメを海外に売り込むという話を自分が目にしたのは、ガンスリあたりぐらいからだったが、そもそも日本のアニメは自分がよく言及しているアタックNo.1だの、ポケモンだの、それこそかなりの作品が海外で視聴されている。自分が中国に旅行したときも(そういや一年前はウイグルに居たなぁ。がそれよりもっと前の話)、一休さんがテレビに映ってたりした。で、海外に対して販売力があるのが邦画や日本のドラマではなく、アニメであるというのが今さらながらに驚く。
 前にも言及したが、もちろんカネを取れるのなら制作費回収という意味でもドンドンやってもらったらいゝのだが、アニメは海外に対する日本文化の浸透という意味で、PC-AT互換機のように著作権についてはあまり目くじらを立てずに拡散したほうが面白いんじゃないかと思っている。いや、もちろん製作者に充分な報酬が得られないでタヾで垂れ流すべきとも思ってはいないが、世界的に人口均衡・低消費社会にしていくのに日本のアニメってのは多大な貢献を果たすのではないのだろうか?と思うのである。
 オモロイのは、最近のアニメが国内消費というよりは、確かに世界を見据えて作られているらしいと、ふと思いついたのだ。前頃はやたら萌え描写・扇情的なものが目立っていたように思う。日本のアニメ消費はオタクに支えられると踏んで、彼らに媚び、DVD販売で回収しようとするビジネスだ。が、オタクの嗜好は人それぞれなので、ガラパゴス化というか、あまりに多様化しすぎてしまって、小規模分散市場での競争激化を招いたと思う。で、自分が最近視聴し始めたそふてにっ!だが、これがお色気を抑えてあり、しかもキャラクターの理念・信念をクローズアップしているものになっているのに変化を感じた。ソフトテニス自体がどうやら日本発祥のものであるらしく、ソフトテニスというスポーツの説明部分が丁寧なのは、海外にそれを説明する意図があると解釈せざるを得ない。部員たちもダラダラ過ごしているようでありながら、基礎トレを怠っているわけでもなさそうで、やっぱり教育上配慮しているものと思われる。で、これがなんというか、国内・海外問わず、また老若も問うてないような感じを受ける。いや、もちろんパンツアニメという時点であまり少年少女層への配慮は欠けてはいるんだが。
 ソースを失念してしまったのだが、サンデル教授の「JUSTICE」が日本で流行った際、彼が来日して日本の若者と意見を交換する場面で、あまり議論にならなかったらしい。どうもサンデル教授は日本は政治やビジネスの場ではなく、マンガ・アニメなどのサブカル分野で正義や倫理が語られているということを評価しているのではないか?と思い、その影響を一番受けているはずの学生に期待していたらしいのだ。が、現実には議論が活発でなかったことから、こんなはずじゃなかったと失望して帰国したのでは?と推察していた。自分はその記事を目にして初めて「確かに臆面も無く理想を語っている分野って日本ではサブカル分野だけじゃね?」ということを思い知らされたのだ。サブカルでないメインカルチャーはあくまで儲け主義であり、正義を実践すべき司法立法行政は利権構造にがんじがらめにされている。そして文化を分析すべきアカデミックな分野はサブカルよりマイナーだという。
 で、恐るべきは、じゃぁマンガやアニメのサブカルが理念を主張しているからといって、そのステークホルダーが全員理想主義か?と言われゝば、それも違うとゆー。もちろん商業ベースだからエンターテインメントの部分もあり、決して理想というかキレイ事オンリーというわけでもないのだが、基本発信者の側のレヴェルが高く、受信者である視聴者のほうがレヴェルが低かったりするのだ。いや、もちろん視聴者にもレヴェルの高い層はいるのだが、テキスト部分や構造部分を読み取れる層はそもそもアニメを見ないのも多い。オタクが関心分野に詳しいといっても、深い洞察をしているというよりは、データベースとして知識が多いってだけというのは東浩紀が指摘した通りだ。発信者の主張を汲み取れる層ってのは大概にして少なく、受け手の大半はやはり実写ドラマと同様(低俗とまではいわないが)所詮消費者に過ぎなかったりする。
 で、推測ではあるが、アニメの製作側はそういう構造に気付いて、自分の感覚では2〜3年ほど前から「カネのためにオタクに媚びる」アニメを脱却し始めたんじゃないかという気がするのだ。もちろん日本と同じようなメンタリティであるようなオタクが海外(の先進国)にもいるわけで、そういう連中にも一定数売上はあるとは思うんだが、たゞの馴れ合いアニメだと日本でも海外でもリピート率は悪いんだろう。ガンスリが割と海外での売上が良かったらしいが、「真面目に作品を作れば海外でもそれなりに評価される」というのがあの頃から実感されてきたのだろう。で、脚本を真面目に書くようになってきたのではないか?。花咲くいろはなんて、東南アジアで昔大ヒットしたという「おしん」の今様だろうしな。多分今のアニメ製作者って世界に通じる物語性ってのをいろいろ試行錯誤しながら発信しようとしているのではないかと思われる。いや、そりゃぁやろうとしている、そして実際に埋め込んできたってのは、昔からだとは思うんだけどね。
 なんつーか、どうもこゝ最近DVD商法にしたって、北米市場向けの製品が国内市場向けより格段仁安いというので、海外通販が増加しているらしい。カスラックあたりの規制とかそろそろ(というか既に)邪魔になってるんじゃないのかね?。