荒川アンダーザブリッジ×ブリッジ 第12話

 なんで次回に続くんだろ。
 いや、もうなんだか最近バカ騒ぎしかやってないな、河原の住人は。で、思い出したようにシリアスに突入したりするんだけど、どうなんだろ?。前回も山村生活の研究 (1937年)について書いたけど、今回別に関連付ける必要性はないものゝ、考えさせられたことが色々あった。
 この本は昭和10年ごろに調査され、その内容がまとめられたものなんだけど、変化しつゝも昔の日本のあり方が記されていると感じている。で、日本の農村ってのは確かに近代経済から取り残されて貧乏であっただろうが、じゃぁ現代日本のサラリーマンのように食えるけど自分の時間や空間がないというのとはまた違ったものなんだろうなという気はする。とはいえ、夜なべの項などを見ると、23時ごろまで色々作業をやっていたなんて記述もあって、長時間労働ってなんだろうな?とも考えさせられる。が、農業なんて天気まかせのところがあり、土地や水などの条件が決められてしまえば、あとはいくら人間が努力したところで成果は限られてしまう。除草剤のなかった時代は草取りが重労働だったそうだが、それさえやってしまえば、収穫は人為の及ぶところではなく、あとは時間を持て余すということになる。
 で、人々の交流がほとんどなかった時代だから、その暇をどう過ごすか?ってのが重要になってくる。顔見知りばかりで珍しさもなんも無く、村人は「なんか面白いことない?」って感じになる。で、今話のように、村長が企画して娯楽を提供するワケだ。今回面白かったのは、その村長の企画に対して、河川敷の住人に温度差があったこと。まさに背景が赤から青に推移していて、ステラとシスターはやる気マンマンなんだが、あの村長が好きなP子ですら、村長に付き合わないとまずいかな…でもあまりやりたくないって感じで、青と赤の境界線にいたのがなんとも。で、残りの住人はみんな青なんだよな。でも、なんだかんだあるけど、企画にはしたがうのだ。この作品の面白いところは、住人達が巻き込まれていく様子を自然に描いていることだ。まぁこゝはさすがに今までのキャラ描写の積み重ねがあるからうまく視聴者を誘導できるんだろう。というわけで、キャラ達が童心に帰って遊びに参加している様子を微笑ましく描くのは理由のあることなんだろう。住人達の欲望を生々しくもなく、かといってキレイ事過ぎずって匙加減もうまいと思う。閉鎖的な集団であるということを感じさせず、かつ視聴者に住人と一緒に楽しんでいるような錯覚を感じさせるのは、よくできているとは思った。