刀語 第5話

 チェストの顛末が、今こゝに。
 そらおとでイカロス・ニンフが色気づいていたように、七花も色気づくの巻。というか、七花はとがめの裸体に欲情しないんだな…と思ったら、逝きし世の面影 (平凡社ライブラリー)では、江戸時代あんまり男女とも裸体を恥ずかしがる風習はなかったらしい。江戸末期海村部を訪れた外国人が、真っ裸に近い海女と若い男が不自然な様子もなくフツーに日常会話をしてすれ違っていたことを記録に残していたそうだ。西尾維新もそれをふまえているのかな。よくわからんが。七花は山猿と自称していて、会話も西尾節とはいえ人間観察が鋭いわけで、どこまで本気で、どこまでトぼけているのかわかんないんだよな。
 今回は男女の駆け引きの部分が面白かった。うーん、自分も昔だったらあんまりこういう部分を評価してなかったような気がするんだが、年甲斐もないというか、なんというか。