いや、結構ツッコみどころは多いんだけど。
大きい所で、晶子がいまだに周囲を振り回しちゃってるとことか、覚悟があるものだけが線を越えるってのは、個人が決心しなきゃなんないだろとか。が、この作品自体がスポ根を目指しているものではなく、いやむしろ対極のものであるワケだからして、正解ではあるんですがね。いや、ホント、“かつてあったこと”というのをダシに、いろんなものを考えさせる構成で、すごく唸らされる。
小梅が晶子や鏡子を最初に訪れるときには、案内に促されたり、無理に面会せずにあきらめたりしているんだが、これが現代劇だといきなり押し入るよな。今回だと二度目の訪問では、小梅たちの決心の度合いを強調するために押し入らせてはいるが。が、コミュニケーションに必要な礼儀ってのを、この場面だけでなくいろんな所で織り交ぜている。いや、現代においても現実社会では無理矢理部屋に押し入ったりはしないんだが、ドラマだとどうしても端折っちゃうよねと。
しかし、人前では気丈に振舞う晶子だとか、巴と静のかけあいだとか、こんなんも懐かしいな。学校にこないぐらいなのに、晶子の振る舞いにきょとんとする小梅の戸惑いとかも、こちらが冷静に眺めればすごく納得できてしまって、大げさだがホント心理描写が丁寧。小梅と岩崎とのやりとりも小梅の強さと思い遣りが感じ取れた。見習いが小梅に問いかけた、友達だったら相談云々も、小梅にそう行動させると見せかけて、小梅が晶子にそう働きかけるというという顛末にしちゃうのも面白かった。まぁそんなこんなで、真っ直ぐな気持ちの応酬って視点で見ると、ホントよくできている。
突風で捲くれあがらないスカートに良心を感じた。初めっから期待させるような風なんか吹かすなよ。