Angel Beats! 第3話

 これぞまさに成仏。
 いろんな感想サイトさんで、岩沢が消えるというネタばれを見てしまい、視聴せねばなるまいと決心してしまった。いや、この感想のあと、しばらくはエントリーはしないつもりなんですが…。
 要するに理不尽に対して戦う理由がなくなれば消えちゃうわけなんだな。それは天使側に取り込まれるってだけじゃなくて、超越してしまうってことか。しかし、岩沢にとって生きがいを見つけることは、まさに生きつづけることであって、消えちゃうってのはヘンだとは思うんだけど、まぁあの世界は理不尽に抗う場であって、生きる場ではないってことなんだろうと考えてみる。
 NPCは一般大衆のメタファーってのは間違いないんだろうけど、今回の描写がまた面白いな。いちおう天使側のいいなりになってはいるものゝ、心の底では好きこのんでそうしているわけではないってことか。岩沢のメッセージを受け取る要素はあるわけで、そこらへんただの人形ではないってことだろうけど、かといって体制側に反抗するだけの力量も動機も持ち合わせてないってことだろうな。醒めた見方をすると、所詮他人(岩沢)に与えられるもので感情を左右されるだけの受動的な人間たちだ。ガルデモがいなけりゃ、もしかすると日常をなんら疑問視することなく粛々と過ごしていただけかもしれないわけで、その辺も含めて大衆ってモノをよく活写しているとは思う。ガルデモって、ガールズ・デッド・モンスターの略なんだな。ガルデモという固有名詞がある(創作した)のかと思ってたよ。
 今回の侵入作戦でゆりが入手した情報では、天使はSSSと同じ方法で自分をカスタマイズしているらしい。まぁ確かに現代でも別に特権階級側に特別最先端の技術があって、それで他を圧倒しているわけでもないしな。技術の使い方が効果的か効率的かって違いなんだろう。あとはこれは現代でもいえることなんだが、情報の非対称性は圧倒的にあって、権力側に有利なのはその点だろう。
 あと神の存在を疑問視してたな。そもそも初回からして神がいると断言していたわけでもなくって、ゆりはいると思うと表現していたような気はする。いるとしても、それは現代宗教における観念的な神かもしれないし、そうじゃなくって天使を代理人たらしめている、人格を持った神かもしれない。そして中国古代王朝殷(商)がやってたように、神がいるように振舞っているだけなのかもしれないし、本当に神がいるのかもしれない。いや、ゆりが想定しているように、本当は神なんていないんだけど、いろいろな現象の結果を敷衍して考えると、そこに神がいると仮定してみても状況をよく説明できるってだけなのかもしれないしで、いやはやなんとも考えさせられる。
 というわけで、まだまだ序盤だというのに、世界観を覗かせてくれたかと思えば、いろいろ疑問が投げかけられてきて考えるほうとしては忙しいというか混乱させられるというか。いや、かなり面白い部類ですよこれは。
 タイトルのAngel Beats!って、Beatsのsは英文法でいうところの三人称単数と考えて、天使が倒す…のか、天使を倒せなのか迷う。