聖剣の刀鍛冶 第11話

 なんじゃ、こりゃ。誰も彼もが言いたい放題。
 いやぁ、参りました。ここにきて荒れますか。リーザ(リサ)の想いと、ルークの想いが刀の出来に表れるってクライマックスを盛り上げるためにいろいろ組み合わせているんだけど、尺がどうあっても足りないというか、原作に忠実であらんとするがために無理が祟っているというか。シーグフリードに斬りかかるだけでなく、あの会議の場で個人的感情を吐露するというセシリーの場違いな態度には、もうポカーンですよ。会議の面々も大人げないというか、たしかに会議に相応しくない発言が飛び出してきたとはいえ…。そりゃルークでなくとも「ヲマエはすっこんでろ」だとは思う。が、台詞で説明しないと時間が足りないんだろうなとは思う。
 個人が抱える感情を処理するといった意味では、アリア登場エピソード・シャーロットエピソード・エルザエピソードともそんなに悪く感じなくて、リーザ→リサエピソードが上手く処理できなかった感じだな。リサが自分を悪魔とわかっていながら、それでもルークへの想いが断ちがたいって部分は、こりゃ私好みの設定なんだけど、ルークがリサにリーザを重ねているとか、どうもリサ個人への踏み込みが全く足りないって部分は、まぁそうなんだろうなと思い、よくあるパターンにちょっとがっくりといった部分もある。かといってセシリーにルークの心のスキマを埋める度量なんて全くないしな。ある意味フラグを誰も彼もがへし折っているとしか。
 まぁさすがにポイントを押さえているせいか、リサの感極まる部分や、街を守るという抽象的な意味ではなく、具体的に大切な誰かを守るための聖剣作りってところにはグッとキた。たぶん原作を逸脱するんだと思うが、別に会議を舞台にする必要はなかったのでは?。
 グンコクにも刀鍛冶はいるようだってのも初耳。しかし、残念なのはやはりシーグフリードの器の小さゝだわな。よく政治力のないマッドサイエンティストが、小手先の賢さで世界征服をたくらむって悪人像が昔は流行ったと思うんだけど、それより小物臭がする。いや、ホントあんた外交しにきた人間でもトップじゃねぇだろと思ったんだが…。誰も彼もが自分のことばっかりとか台詞にあったが、帝国と都市の仲を悪くして対ヴァルバニルの共同歩調を破壊してんのはアンタだろうと小一時間…。