天然だと思っていたウィンリィがいきなり聡い娘に。
うーん、そういう素質を垣間見せてくれていたわけでもないよな。ついていくなんて突っ込んでいるから、そうそう思慮があるとも思えないんだが。一昔前のテキストなら、ついていった先で足手まといになるってパターンが多いんだけど、この作品的にはそうしないような気はする。
ラースの養子が実はホムンクルスってのは意外な展開。はじまりのなんて名乗っているから、それが事実だとすると、ラースより格が上だったりするのかな。
しかし、今思いついたんだが、ホムンクルスって、歴史的に見ると西洋中世において禁断のファンタジー要素だろ。仮に人造人間を作れたとして、それは唯一神である創造主と同等のことをやるわけで、当時だったら神と同等と宣言するに等しい行為がキリスト(ユダヤ)教的に許されるはずも無いはず。だから人間の手で生物を作れたとしても神以上のものであるはずもなくって逃げが打たれているだろう。だから、ホムンクルスって生命力の無い儚い存在って描かれ方が多かったような気がするのだが。それがこの作品では寿命は無いに等しいわ、人間より能力がずば抜けて高いわで、存在としてやりたい放題。まぁホムンクルスが持っている能力は、それを作った側の権力*1のメタファーなんで、儚い存在という設定じゃないからといってケチをつけるつもりは毛頭ないのだが。
しかし、少将の責任を負う発言は泣けるねぇ。自分の指示がまずいせいで事態が悪化したときに、部下に責任を負わす管理職って、今日本ですごく多いと思うんだけど、こういうリーダーってなかなかいないわな。レイブンなんて奸を自分の裁量で切り捨てるリーダーもいないし、むしろ上からの命令にはどんな理不尽なものでも絶対服従って管理職が多いだろ。で、状況が悪化したらトンズラ。それで今の日本の惨状があるわけなんだが、なんでかB層ってそういうバカな管理職を好んで支持するんだよ
な。まぁ今回はそんなダメな日本の縮図をバッチリ見せていただいたということで。スッキリしないのはそうなんだけど、“天下の将に肘足するとき”って瞬間ではあるんだよな。