鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST 第27話 狭間の宴

 総集編だった。
 OP・EDとも変更。OP(序盤)は歌い方がちょっとインド歌謡*1のようなアクセント?イントネーション?なところがあって、ちょっと意外だった。新キャラの顔見せもあって、なんか期待感がある。
 ピナコってのはウィンリィのとこにいたばーちゃんだろ?。ホーエンハイムにしても語り部の姿はどう考えても若い頃。若い頃の気持ちを思い出しながらの回想って構成だろうが、ちょっと戸惑った。
 他のアニメだと、こういう語り部とストーリー上の性格付けが総集編では別物になっていることもあるんだけど、今話を視聴すると、ホーエンハイムにもいわゆる人間的善の部分を持っていて、それを実現するためにいろいろ策謀しているらしいという風に思える。ある意味達観し、人間の持つ善の部分も悪の部分も、そして強いところも弱いところも併せ持って、(あまり他人には理解されにくい)彼なりの理想を実現しようとしているのかなと見えてしまう。彼の行いで状況が結果的に改善するのであれば、いわゆる彼は真の「大人の対応」をしたという結論になるだろう。今のところブラッドレーを初めとするホムンクルス達の親玉なわけで、そういう展開にするために、どういう提示をするのか大いに期待したい。が、やっぱり悪のまゝ、退場って可能性も十分にあるわな。
 今まで人間ドラマの部分にばかり気をとられて、実は今回の総集編で気付かされたのだが、賢者の石の原料が人間であることに気付いて、エルリック兄弟はそれの獲得をあきらめたんだよな。で、彼らのミッションが弟の体を取り戻すことで、それが前回エドが弟の肉体に出会って、ミッションの遂行をあきらめずに済むって流れになっている。
 さて、どうやら折り返し地点に来たみたいだが、ようやく自分の中でのこの作品の評価がかなりあがった。前半1クールは焼き直しで、ダイジェスト風味と、その中で主張されるキレイ事のバランスの悪さにちょっとヒくところはあったんだけど、その次の1クールで持ち直したという感じだ。ここに到って監督としても前1クールはかなりやりにくい仕事だったんだろうなと思い至った。まだキレイ事の主張にクサさを感じる部分は大いにあるんだけど、中高生向きと考えれば至極納得。自分としてはガンパレの入江監督担当回だっけ?、の、あの繊細な表情付けが未だに忘れられなくて、それを期待したりもするんだけど、動きの激しいこの作品では、それは無理な話なんだろうなと思わざるを得ない。

*1:もしくは中東風