ドルアーガの塔 〜The Sword of URUK〜 総括になるのかな。

 いやぁ、ある程度の見通しがたった(つもりなだけだが)ら、なんかもう書くのはいいや…なんてところに落ち着いてきたのだが、まぁそこはメモということで。最終話に関しては第1期のネタを引っぱってきたり、ゲーム版というかオリジナルのドルアーガの塔の設定を引っぱってきたりしていたみたいだが、ゲームの世界観については自分的にnamcoのゲームは好みでもドルアーガは一度もやったことが無いのでわかんない。
 まぁ前回の最後でドルアーガの塔が神々との戦いのための決戦兵器でありという説明がなされ、いきなり何の脈絡も無く唐突に神々と戦い始めるニーバには視聴者の大部分がさすがにポカーンだったのではないだろうか?。で、ラスボスはニーバなのか、それとも神々なのかよくわかんないまゝ次回に続くって流れだったと思う。
 で、ギルガメスドルアーガの塔を対神兵器と知っていたにもかゝわらず、あの時点では敢えて神に対しても地上の国々に対しても使おうとはしていなかったという描写だ。コントロール装置をもっているのだから、使うのは思いのまゝのはずなのに…である。で、どうもギルガメスは兵器を使わせないように守っていたのかもしれないってのは物語中でも語られた。
 自分がずっと疑問に思っていたのが、神々はなんのメタファーなのか?ということだ。どうも強大な力を持っているのだから、合衆国なのかな?とアタリをつけていたのだが、それだと対立関係にあるジル・ニーバ・グレミカをどういう勢力と捉えたらよいのかに困ってしまう。第1期あたりで、塔頂者はどちらかと言えばフリーターだの派遣労働者といったような、社会を支える階級でありながら特権階級にこき使われる弱者といった記号だったような気がするので、ある程度現代とリンクしてくるはずだ。
 で、確かに神々はニーバの攻撃を受けても反撃するだけで、果たして状況がどうなっているのかが全くわからない。少なくともドルアーガの塔に多大な被害を与えるぐらいだから、それなりに強大な力を持っているはずなのだが、じゃぁ対神兵器ドルアーガの塔が封印されているのをいいことに、地上を好き放題荒らしまくっているのか?と言われれば、それはない。ニーバが攻撃すれば反撃はしてくるが、決して神々のほうから攻撃する事はない…ということから、世界中にケンカを売りまくっている合衆国はむしろニーバのほうなんじゃないかという気がしたのである。
 で、イシュタルはメソポタミアの神であるということもあり、アラブというかイスラムなんじゃねぇの?ということに思い当たった。そうなるとジルは主人公でもあるわけで、日本なんかなと。
 まぁ国に喩えるのもなんだが近代以降の国家と考えると、そういう妄想もアリなのかなという気がしたのだ。近代国家としては後発の日本がドンドン成長して、近代に突入したのは日本より早いが国としては若い合衆国の年齢的位置関係なんかも合致する。ニーバにやられて鎧が外れていくジルなんかは、まさに無防備状態にされている現在の日本のあり方とそっくりである。
 あとはどうでもいいのだが、ギルガメスはイギリスなんかね?とか、じゃぁカイはロスチャ、サキュバスはロック、カーヤは中国だったりするのかとか、いろいろ考えてみるのも楽しいのだが、あまりにそれは強引かなとは思う。
 キャラを国に喩えるのもなんだかなぁでそれはヘタリアと同根なのかもしれないが、歴史がどうだのと言ったところであまり面白いとも思わないのでやめておく。でもまぁ世界の混乱はニーバが倒れて収まるわけなんで、そりゃ世界一の暴君である合衆国は社会的に滅びるべきって主張なのであれば、大いに賛成したいところだ。
 さて、なんかキャラは近代国家のメタファーであるって考えたところで、疲れた。さすがに総括にはなっていないわな。そうは言ってもどのキャラが何の記号かって考えなくても、塔頂者を今の世に生きている視聴者と見て、我々に降りかゝってくるいろいろな混乱などをどう乗り切っていったらいいか、いろいろ考えさせてくれる要素は多かったと思う。そういった意味では、ファンタジーではありながら、現実社会を切り取ってうまく抽象化して見せてくれていたと言えよう。前エントリーでも第1期は感情的、第2期はむしろ理性的に演出していたと思われる。第2期のほうがより視聴者に考えさせるという部分が強かったのでは?。第2期に視聴者を惹きつけるために敢えて第1期は共感重視ってとこなのかな。まぁグダグダ書くのもなんなので、ここはおもろ+とつけてひとまず擱くことにする。番組開始前から期待も高かったし、最終話が終わった現在でも期待通りの出来だったと思う。スタッフの皆様方には感謝を。