屍姫 玄 第5話「性と未練」

 懐が大きいというよりは、そこまでしてプロポーズしないとダメなのかって感じかな。
 しかし、なんだね。妙齢の女しか屍姫にならないってのはご都合主義というよりはよく出来ているわな。要するにいろいろ抑制してはいても契約僧の劣情をうまく利用しているってことだろ。
 景世は七星の化けたものらしい。台詞からして確かに景世でないことはわかるのだが、別に本物の景世を屍にして眞姫那を揺さぶるって展開にしてもいいのにしないって、よく決断したよな。そうはいっても贋物の景世とわかっていても眞姫那は揺さぶられていたわけなんだが。まぁそれほど景世のことを忘れられず、もう努力して屍姫として存在しつづけなくてもいいんだという諦めはよく伝わってはきた。屍姫は既に死んでいるわけであり、さらに精神的に死ぬという構造はなるほどアイデアとしては面白い。実際に鼻紙君が飛び出してこなかったら本当に死んでいたわけで。
 で、鼻紙くんのあの台詞が本当に眞姫那の心を溶かすなり、ある一定の割り切りを引き出すことができるか?と言われれば、ちょっと微妙というか、正直キレイ事過ぎるよなと半ば冷めた目で見てはいたんですよ。あの年の少年ならあぁいう台詞を吐いてみたいだろうなというのは重々わかりますけれども。で、貞比呂&アキラの「あ〜、こいつ舞い上がってら」って心中がよくわかるってのがね、もうこれがあるからこの作品が面白いわけなんですけども。