マクロスFRONTIER 第21話「蒼のエーテル」

 あーハイハイ、竹Pですか。気になってOPを確認したらやっぱりありましたよ、その名前が。
 今回はやけに気合が入っていましたねぇ。作画とかホレボレする。ルカの目の色とか、クランの目の色、あの複色には何か意味があるのかね?。
 さて、どうしてもある程度は目に入ってしまうんだけど、終盤に入ってこの作品に対する評価がスゴく下がっているような感想を見てしまうので、気になっていた。この作品の殖民船団は、やはり地球のメタファーであり、世界的事象も込められているのかね〜という点が気になり始めたわけだ。特にOPが変更になり、歌詞中にある、「生き残りたい」というのが、あまりに今までの展開からズれていたのに違和感を感じていた。世界は二つの種族が生き残るためには狭いという繰り返し。外ヅラはアッパラパーなハリウッド的展開と、ミュージカル仕立ての泥沼恋愛模様なので、もう少しで行間を見逃すところでした。
 まず、第1話のアルトくんのハリウッド的ヒーローな覚醒の仕方がまず胡散臭い。で、ナナセを傷つけられたルカの血の昇りっぷり、ミシェルを失ったクランが動転している様子、薄らぼんやり眺めていれば、確かに大切な人を失って冷静さを失うのも無理ないよなと思ってしまうのだが、よくよく注意してみると、怒りが浅薄というか、まるで落語でいううっかりもののような感情の揺れ動きようだ。
 で、他者廃絶が力強く繰り返される割に、現実の地球上の国家・民族群が本当に共存なり棲み分けが無理なのか?というのを考えてみると、人口超過密国家日本ですら田舎は限界集落となるほど過疎の地域もあって、どの口が世界が狭いと言ってんだ?ということに思い至る。マクロスでは殖民船が人類の可住地域となっており、新しい星を見つけて定住をすると予想したときに、あの世界ですら本当に宇宙は狭いのか?と考えてしまう。
 で、バジュラだ。今のところ、バジュラが殖民船団に襲いかゝる理由が全く説明されていない。これが不気味だよね〜。で、人類が戴いている政体の国家元首が大統領で、補佐官がいる国…?。正規軍と民兵がいて、そいつらの物語はまるでハリウッド風に展開する…ってモロ合衆国ジャンかと。あぁ、バジュラはイスラムだのアメリカに敵対する組織ねと考えるとそうかもしんないと思ってしまった。
 で、いわゆる上層部の思惑は、ほとんど明かされないわけで、殺された大統領自身は現状に疎く…あぁ、前者はユダヤ人脈で、後者はモロバカブッシュじゃんかと。今回切り離されたゼントラーディー用のアイランドはアメリカで言えば切り捨て前提の貧民層だろう。ゼントラーディーはラテン系移民もしくは黒人のメタファー。素のクランのきょにゅー振りはラテン系そのもんだろうし。
 まぁ実際の合衆国のイスラムいじめは、経済制裁なり資本進出によるアラブ市場の席巻だったりするわけで、そのへん能天気な合衆国の国民には見えにくくなっている。実際には合衆国のやり口に怒り心頭で、自爆テロなどを仕掛けているのだが、合衆国国民はなんで自分たちが攻撃されるのかポカーン状態だ。非常にイノセントというか、まぁ端的にいえばバカなんだけど、自分たちの国が如何にイスラム諸国を窮地に追いやっているかの自覚がない。9・11テロも、本当はCIAの自作自演かもしれないのに、合衆国国民はスグに頭に血が昇ってイラクテロ支援国家悪の枢軸だと扇動されて、いとも簡単に兵器を消費させて大もうけをしたいユダヤ財閥の思惑に乗せられて戦争をしてしまう。いや、むしろ実際の合衆国国民のほうが「もっと冷静に考えて、アラブへの仕返しなんてやめよう」と言っちゃう国民がまだいるのが救いだ。さすが不慮の事故なのに無茶な謝罪や補償を要求するどこかのバカ国民とは一味違うよな…というのは置いとくにしても、まぁやっぱり大切な人を殺されて、敵はみんな皆殺しだと叫んで、いともあっさりと戦争を遂行したい層に、いいように扱われているのが、S.M.S.に志願した頃のアルトであり、今回のルカであり、クランである。
 まぁ三島やグレイスの目的がなんであるか、三島であれば自分が絶対的権力者になるのはどうも途中経過のような描写ではあるが、まだまだ明かされていないようである。同志以外の大多数の人類に内緒でバジュラを怒らせて、何を企んでいるのかは、以降ほのめかされるだけかもしれないし、明かされるかもしれないので乞うご期待といったところか。
 で、ランカだが、これまたアルトに自分の思いが届かなかったということで、しょぼくれてまたランカの鬱展開なのかと思ったら、もう次の段階に入っているっぽい。バジュラとの接点があるという伏線っぽいので、彼女なりの努力をするんだろう。ランカの腹が光って、バジュラが大量に殺されたことがわかるという描写なので、バジュラとの架け橋になる可能性はあるわな。まぁグレイスがバジュラとゼントラーディーの掛け合わせとかなんかをやっている可能性もあるとは思うんだが。ランカ自身バジュラに自分の歌が何らかの効果があるということを自覚しているだろうし、追悼の式に希望の歌を*1歌わせる時点でもう自分が三島たちに利用される存在であることはさすがにわかっているだろうし。まぁなんと言ってもマクロスなわけで、人類&ゼントラーディーとバジュラとの間で共存なり棲み分けなりが結論としてあがってくるとは思う。
 参考:スターシップ・トゥルーパーズ - Wikipedia
 っつーわけで、マクロスをおかわりしてみることにする。

*1:普通、追悼の式では鎮魂歌などの荘厳な曲しか使わない。明るい曲なんて論外。日本人だって葬式で明るく振舞うことは避けるだろう?。