図書館戦争をうだうだと

 今まで酒を飲みながら視聴しており、ちょっと断言に自信はないのだが…。
 まぁ途中からノイタミナ枠であることに配慮しすぎたきらいはあるのだが、まず最初に感じた「なぜ図書館を舞台に戦争をやんなきゃなんないのか」という舞台の特殊性についての疑問はいつのまにか自分的に薄くなっていた。他の感想サイトさんではそこへの批判が強くて、かなり同意できる部分も多いのだが、なんでだろうか?いわゆる新人の奮闘モノの勢いで突っ走ってしまえたのか、フツーに流してしまっていた。
 そこはやっぱり、深めるには複雑になりすぎ、また1クールという長さからいっても難しく、新規アニメ視聴者層獲得という意味合いのノイタミナ枠ってのを考えるとあんまり厳しいことをいうのもなんかな?という感じだ。ましてや客引きパンダ的要素が体育会系少女の恋愛モノだったりするわけだろ。スタッフに課せられたミッションは多すぎるって。それでいて、行間の部分では重要だと思われる「国家権力・利権による不当な圧力に立ち向かうために冷静に対処するべき」って部分はちゃんと表現されているとは思うよ。たしかに、国家権力側が検閲に関する法律とそれを抑制する図書館法をなんで両立させるのか?って部分から、あの世界を構築する基本的な部分からしてダメダメってところは否めないが。だって、フツーの感情で動く人間が、理屈でガチガチに固められたアニメを見せられたって拒否反応を示すだけだって。理屈で動くべき組織にも人情はあって、厳しさと優しさが共存する職場であって、そりゃ女の子の情動も理解できるって感じじゃないととても惹き付けられないだろう。で、実際の図書館ってのがあんなに理想を追い求めているわけでもないし、そうじゃないんだったら退屈な仕事って決め付けるわけにもいかんだろうし。
 っつーわけで、アレを鵜呑みにするのは確かに大間違いなのだが、バランス的に見れば割と評価できるんじゃないかと思うのであった。あんまり具体的に挙げられないが仕事上共感できる部分も多かったし。まぁ誰しも実際に自分の職場があんなに理想的に動いていると思われても苦笑するだけだが、かといってああいう風に描かれたら悪い気はしないとは思うんだがな。で、じゃぁアニオタ以外の新規顧客層を獲得できるかって言われれば、こりゃまた微妙なんだわ。萌え部分や過剰な媚びはないのだが、やっぱ現実味に欠けるというか。アニオタなら年齢層を無視して幅広い支持を獲得できるような気もするんだが、現実に批判的意見が多いと失敗かなぁ(アニ感を書かない多数の視聴者の感想が得られないのでなんとも言えないが)と思うし、かといって実写ドラマを喜んで見るような層がアニメへの偏見を除いて安心して見られるのかと言われれば、それもちょっと違うかなという気はするし。スタッフがどのような意識で作ったのかもあんまり流れてこないような気はするんだが、自分的にはスタッフは理解されなくとも奮闘したんじゃないかと勝手に想像している。
 ま、割り切りが早い人ほどこの作品を楽しめたんじゃないかな。異論はあると思うけど自分的にはおもろ+の評価ですわな。