とりあえずおべんきょか。

 ずっと前に購入していて半分ほど読んでしまってはいたんだけど、実質長らく積読状態にあった中東イスラーム民族史―競合するアラブ、イラン、トルコ (中公新書)をようやく読了。中東のうち、アラブ・イラン・トルコに焦点を当てた歴史の概説から現代にいたるまでを述べたモノでした。アラブはアッバース朝の滅亡以後、英仏の分割統治まではほとんどすっ飛ばし、それ以後もアラブ側は多分複雑すぎるので、ざっと流していたような感があります。イランは現在世界で一番クールでホットなアフマディネジャド大統領の狙いについてまで、トルコはEU加盟直前までぐらいは割とトレースしていたような気がします。
 アラブはイスラム開祖からスンナ・シーアの分裂あたりを解説のあとはウマイヤ・アッバースまでをざっと概説。なるほど、ムハンマドの爺ちゃんとウマイヤの爺ちゃんが同じ爺ちゃんを抱いていて、ムハンマドの爺ちゃんの直系がアッバースであったりするわけだ。基本スンニー派は、ムハンマドの言行に忠実で、シーア派はむしろ血筋を重んじるわけね。いずれも軸にムハンマドの爺ちゃんを据えると分かりやすいわけか。
 イランはペルシアらしい。とちゅうアレクサンドロスに滅ぼされたり、ウマイヤに滅ぼされたり、セルジュークに滅ぼされたり、元のイル・ハンに滅ぼされたかと思ったら、直後に元由来のティムールにも支配されたりと、結構断絶が多いわけだ。
 トルコは突厥が起源らしい。イスラムに帰依してからはあんまりアラブとの対決姿勢を示しておらず、むしろトルコ統治下の中東は民族・宗教の違いを超えた多民族主義であったらしい。で、オスマン帝国が滅びる原因となったのが、西欧に媚びても中途半端な近代化しか出来ず、当地では不寛容になったからということでいいのかな?。
 まぁその後中近東がグジュグジュになるのは、やはりイギリス・フランスを主とする帝国主義が原因ということだ。オスマン帝国もよせばいいのにアラブを虐げて、アラブもイギリス・フランスの口車に乗せられて、イスラエルを建国されてしまってその尾をいまだに引き摺っているというか、それがなけりゃスッと見通しもつくのになと。アメリカがイラン・イラク戦争ではイラクを応援していたというのは知っていたのだが、それ以前にはイランにも支援をしていたりとか、トルコにもアメリカが支援したり、断絶したりと我儘勝手振舞っている様子が窺えて苦笑する。イギリスもそうだが、アメリカもいゝ加減中近東を引っ掻き回しているわな。
 まぁざっと触れると以上のような感じかな。間違っていたらご指摘歓迎いたします。まぁ正確に本を読めているとも限らないのですよ。