Myself;Yourself 第13話「きずな」

 折角だから、冒頭の幼少菜々香のヴァイオリンも、電子音なんて使わないでさぁ…。
 野外コンサートでの、すっかり穏やかになった菜々香の表情で、あのあとの日々が想像されて腑に落ちるというか、それがまぁあの曲に凝縮されているんだろうと。説明口調ではあるんだが、十分に取られた間や、大団円を想像させる騒々しいエンディングではなく、静かに物語が閉じていく様子など、すべてがコントロールされており無駄がない。これがエロゲならカミングアウト後と10年後の間にはムニュムニュと行ったところだろうが、そういうのをほのめかしもしない節度にも泣かされる。
 しかし、最後どう〆てくるんかな?と思ったんだけど、いともあっさりと風呂敷が綺麗にたたまれていってなす術がありません。絵にも良く表情がついており、BGMも静音を効果的に使っているなど、構成や演出にツッコむところが見当たらない。第1話のアヴァンを見直すと、伏線がLIFOで処理されていて感心した。
 いや、中身については何も言えんでしょう。ちょっと余韻に浸っております。