キスダム 第16話「胎慟」

 樹に刺激されたのか、イエラまでが人の心中を斟酌できる漢に。
 樹の真意が隠されているせいか、シュウと乃亜のストーリーラインがしっかり描きこまれていた。拒絶されるとわかっているのに、それでも発してしまう質問やら、あえて嫌われるような台詞回しとか。こういう構造自体は昔からあったもんだけどね。まぁこれでシュウと乃亜が惹かれあっていないって前提なら、実はお笑い以外の何者でもないのだが、さすがにそのお約束を外したりはしないだろう。
 普通はこういうシーンは男女二人だけでやるもんだけど、イエラもヴァルダも同席。イエラの嚇怒も普通は雰囲気ぶち壊しなんだけど、乃亜のいい引き立て役になっていた。ヴァルダもシュウの発言の後の驚いた顔が秀逸だった。いかにも“おんな”の顔なんだよね。その後の失格三人娘たちとの会話からすると実はあの表情はNGなんだけど、あの絵のおかげでヴァルダがグッと魅力的になったと思う。スタッフGJ。キャラクター達の表情も一枚一枚のつながりは粗いんだけど、ちゃんと脚本の文脈に沿った動きになっているので感心しました。
 しかしここまで化けるとは思わなかったよ。視聴対象から切った人は惜しいことをしたよね?。でも最初がアレじゃぁ切られても仕方が無いとは思うんだけどね。