ロケットガール 第11話「ターンスタート -turn start-」

 どんなアニメにもツンデレが必要なのかっ。
 2時間半で到着とは、日本国内の旅行より早かったりするのでは?。何かにつけて書類を要求する日本の組織とは到底思えない機動力。
 なんつーか、今回は特に時間がテーマだったように思う。マンゴスティーンの到着時間が早いことといい、茜が酸素パックを取り外すときのことといい、冥王星計画実現までの時間の長さに敬意を表して探査機救出を決意することといい、キャラクター達の年齢構成といい…。もちろんこういう環境自体が既に金を湯水のように使うものではあるのだが、それに加えて時間を特に切り詰めるための努力が凄い。
 純粋に金銭価値だけで言ったら、もう一度探査機を打ち上げる時間と手間を考えたら、あそこで人が数人死のうともそれでミッションが完遂するのであればはるかに安くつくわけで、いや、だからといってそれをしていいかと言われれば、本当に死ぬ死なないに関わらず、死ぬ危険度が少しでもあるのであればやらんわけでして。某国の特攻隊と違って宇宙開発は人命をなにより重視する世界でありまして、だからこそバックパックを外してまで部品を取りに行った茜にノーマンは敬意を表せざるにはいかないわけです。もちろんシャトルの船長も止めたし、オレアリー博士も自分が何十年かけたプロジェクトを成功させたいからといって頼むなんてもってのほかというメンタリティーの筈。というか大半あきらめてたでしょう。
 まぁそうなると那須田所長が危なっかしいですわな。那須田は売り込みも兼ねて部品を取りに行かせたわけだし、オルフェウス救出の可能性があったらとりに行かせたいと考えてもおかしくない筈。かといってゆかりや茜より行けと先に言わせるわけにもいかんわけですよ。那須田が冒険心あふれるディレクターで、ゆかりが思い込んだら人の言うことを聞かないという描写があったから、「那須田がゆかり達を止める描写」が必要なはずなのに省略できたわけでして、一歩間違ったらゆかり達を売名のために死地に赴かせる那須田という像、もしくはオルフェウス救出に舞い上がっているゆかり達を止められないダメディレクター那須田という像になってしまうわけでして、なかなか危ない橋を渡っておりますな。
 しかし人一人の命が重いアメリカと軽い日本という対比はやっぱり覆せないのか?。小さくて軽くて速くて安いっつーのは零式そのものじゃん!。あれはあれで軽くするために防弾版をケチってパイロットの命が安い機体だったらしいが。しかも開戦当時は熟練パイロットが豊富だったのが、上層部の無茶な作戦指導の為にどんどん死んでしまって、大戦末期には学生を動員して自爆攻撃をさせたわけですし。しかも訓練時間が確保できないもんだから、素人同然のまゝ操縦せざるを得なくって、戦地に到着するまでに墜落して喪失することが結構あったらしい。いやぁ、さすがにこの物語がそれを意識して作られているとは毛頭思わないんですけどね。
 しかし次、最終回ですか。今回も前半部分大いに泣かせてもらって、次もそういう構成っぽいんだけど、つくづく終わるのが惜しい作品です。自分はこういう作品をぜひ青少年少女に見てもらって興味を持って貰おうなんて思わないんですが、自分が視聴してみて思うには、真面目なんだけど堅苦しくなく、泣かせなんだけどあざとくなくでホント相性のよい作品でした。原作者が脚本を担当するのかと思ったんだけど、そうでなくても気にならなかったです。ぜひ原作者には新作をどんどんUPしてもらってアニメ化もどんどんしていってもらいたいと切に願います。評価はおもろ+。
 あぁ、どうせ次視聴しても評価は変わんないだろうから今してしまいましたが、次も感想は書くつもりです。しかし、作品周辺の事柄についてうだうだ述べるつもりが、宇宙が舞台になってしまうととたんに本編に集中せざるを得なくなってしまってますなぁ。まぁ私が宇宙開発について詳しいわけでもないってのが大きいんですけどね。