ノエイン

 第6話だか7話までは視聴していたので、2日かけて一気に視聴完了。感動エピソードを積み重ねてくるところとか、いわゆるアニメの動画部分も非常にくるくる動いてクォリティは非常に高い。視聴者を飽きさせないという意味ではすばらしい作品でした。
 本放送放映中はネタばれしないよう流し読みするぐらいでしたし、それすらもう覚えていないのではありますが、量子論とかアニ感サイトで持ち上げられていたような気がするのですが、どうも食い足りないというか、いや理系かぶれを狙った目くらましといった感じが拭えませんでした。普通に本筋は人間ドラマではないかと思った次第。いや、量子論なんて持ち出さなくても時間旅行のタイムパラドックスでドラマを組み立てることはできるじゃないか?ということなんですよ。平行宇宙だって新しい考え方ではないですし。ただ、認識することで確定される云々のところは不確定性原理とかシュレーディンガーの猫といった量子論というよりはむしろ社会のあり方について問うておるんではなかろうかと思ってしまったわけですよ。
 15年後の世界とかキャラクターたちが見せられる未来がどれも陰鬱なものであるのに対して、ハルカたちが干渉して明るいものに変えようとしているところとかモロそうだと思うんですよね。SFチックな設定は全部隠れ蓑に過ぎなくて、結局社会なり体制批判をした上での主体性の獲得という主張としか思えない。なんか私の考えが古いんでしょうかねぇ。古いついでに、石川健介作画監督の回はどうも平野絵にしか見えなかった。登場人物別人。
 確かに感動したんだけど、一言で表すと登場人物達が(一部は時間を乗り越えて)好き勝手振舞った物語ってとこでしょうか。終わってみれば世界が本当に危機に晒されていたのかとか、物語の終わりに世界が救われたのかどうかすらどうでもいいようなことのように思えてきます。主要キャラは小学生なんだけど、この作品のターゲット層はナイーブな中高生かな。
 どうにも私がSFに惹かれるせいか量子論と物語をどう絡めてくるかに期待しすぎたために肩透かしを喰らってしまいました。が、ドラマ自体としては非常に楽しませていただきました。おもろ。