ついにまいりました。とりあえず引用。
【 格差を感じますか？ いまの世の中】ゲスト：ジャーナリスト「機会不平等」著者 斉藤貴男
○ あなたは社会の格差を感じますか？
○ 具体的にどんな格差を感じますか？（経済、学力、社会的地位など）
○ 格差を広げないためには何が必要ですか？
○ 個人の努力と社会の改革とはどちらが必要ですか？2月20日(月)〜2月24日(金)の午後５時５分から放送！
※なお、この時間、関西地方の皆さん、秋田県の皆さんには別番組を放送しています。
さてと、さいとうたかをというからどうしてもゴルゴを何度も思い浮かべてみましたって、そんなことはどうでもいいのですが、結論から言うと自分には得るものがなかった。とにかく政府によって格差が作られつつあるんだ、格差はいけないんだという主張が強すぎ。ただ、これだけ格差社会について何冊も本が出ているのに、一向に格差社会で惨めな思いをするであろう層自身に自覚がないように思えるので、啓蒙（あえてこの表現を使います）という意味では重要なのかもしれない。あと、本質を突いちゃうと本人が干されちゃうからお許しの出た内容だけを声高に述べているのかもしれないというのは、押さえておくべきだと思います。もしかすると今日のゲストはフリーライターという肩書きではありますが、政府広報と同じ役割をしているのかもしれない…とかいろいろ考えるべき前提条件がありますが、長くなりますのでとりあえずこの辺ぐらいで止めときます。
対立構造としては、もともと前提条件からして有利な金持ちと、努力しても本当に報われるかどうかわからない貧乏人との格差増大です。経済的に金持ちが有利なだけでなく、それは教育の面で格差が固定化されるということです。金持ちの子弟は良い教育を受けることが出来、そして基盤も受け継ぐことができる。さらにその構造がその子孫にも延々と受け継がれていくということです。まぁ本を読まなくてもわかるところではあります。そしてその構造は昔からあったことでもあります。いまさら感が漂いますな。
じゃぁどうすれば格差社会に向かう流れを止めることができるの？。といった点で今日のお話は問題提起もされなければ、解決策の一つでも提示されるとかがなかったように思います。そしてそれがまさしく｢べつに聴かなくても良かった｣に繋がります。しかし、結論から言わせてもらうと解決策の提示とかは無駄でしかありえない、まず解決もしなければ、どうせ運動の方向を示したところでそれに向かって力を合わせていくようにはならないと思うのです。だから得るものがなかったにせよ、ゲストにはある種の同情を禁じ得ません。
単純にいうと、もし格差社会を止めることが出来るのなら、そもそもこんな事態になっていないだろうということなのです。建前上ではありますが、日本は民主主義の国であって、政治も投票行動にて間接的に行うことが可能なのですよ。しかし、全員がそうだとは言いませんが、いままで日本国民がいわゆる本質的な民主主義上の民意というものを発揮したことはありません。今回の構造改革の件にしたって、ほんとうに格差社会がいやであれば、そういう候補を立て、利権層から得られる誘惑をすべて断ち切って、己が信念のおもむくまゝそいつを当選させればいい訳です。しかしそうするよりは利権層に縋り付いて甘い汁を吸わせてもらいつづけている（と思わされている）のが現状、仮に行動するような層がいたとして極少数、というより今までもずっとそうだったろということなんですよ。だから無駄。
そう考えてみると、どうせ変わりはしないのだから、せめて警告は発したという形は取るわけ（前述の政府広報とはそういう意味においてで）です。格差社会がくるって警告したろ？でもなにもしなかったろ？ということは格差をつけられるのを認めたということなんだよね？努力しなかったあなたが悪いんだから惨めな状況を甘んじて受けなさい。という具合にあたかも格差社会を容認したように仕向けられるわけですよ。*1そして大抵の労働者は働くだけで精一杯でそんなところにまで頭が働かない人が多数いて、しかもパワハラなどの圧力をうけて反抗すら出来ない状況になっている。高度経済成長期からバブルに至るまで、汗水流して本当に稼いでいる層が実権を持つ機会は何度かあったのに、特にバブルでは目先の利益に流される層があまりに多すぎてそのチャンスを失ってしまった。今となってはもう永久にそれは叶わないと思えるところまで来てしまっている。今景気がいいと言ったって、番組でも言っていたようにそれはほんの一部の層であって、大多数はあえいでいるのではないでしょうか。バブルの時だって、大金持ちはともかく、小金持ちやそれに吸い付いた層は美味しい思いをしたのだろうけど、やっぱり今と同じで大多数の人々は置いてけぼりだったわけで。というより、むしろ地上げで不利益を蒙った層がバカにならないほどいたわけなんですが。バブルのときも格差社会といわれる現在でも、金を持った層が好き勝手振る舞って世の中を荒らしている構造は変わってないと思うのですが、人死にが多くなっている現在、その増加分だけ彼らの罪は間違いなくあるんだけど、糾弾する方法がないんだよね。もちろん事態自身を変える力も。
