機動戦士ガンダムSEED DESTINY 第49話「レイ」

 あ〜あ。やっぱり。
 で感想を終わらそうかと思ったんですけど、それはマズイか?。どう考えても描写しておかなくてはいけないところと、カットしなければならないところを間違っている気がする。
 各所で言われていた通り終盤の総集編2つはどう考えても要らないと思う。仮に私がバンダイ側で口を出す立場だったとしたら、キャラの魅力をひき出せたとも思えないキラ・アスランの総集編も、終盤あれだけクローズアップしたうえでさらに総集編までする必要がミーアにあったとは思えないのです。作品単体としても関連商品の売り上げとしても、もちろんエピソードのクオリティとしてもメリットは全然無いと思います。あの時点では既に顧客の選別は終わっており、総集編までやって新規顧客を獲得できるとも思えません。総集編をやるぐらいなら、今話のエピソードだけでももっと掘り下げるポイントはあっただろうと思うのです。レイ自身の説明、デスティニープランの掘り下げ、イザークディアッカの立場説明、ドム三人衆の詳しい描写、ホーク姉妹の描写、ムウの過去描写等等…。別に枚数減らしてでも止め絵でも構わないから、総集編をやるぐらいならもっと他にやっとくべきことがあったと思いますよ。デスティニープランは小難しく、レイの掘り下げもそりゃくどくなるだけで経済効果はあまりないから、あれ位の描写でも良いとは思うんですが、イザークディアッカにはもっと強そうなロボットに乗せるとか、ドムのやルナマリアの死闘を美しく描くとか、虎をロボットに乗せて見せ場を作るとかすればキャラも立つしプラモの売り上げもバッチリだろうし。あ〜キリが無いですよ。
 どう考えたらいいんだろう?。前回も述べたとおり、別に私的にはデステニィプランの提示をしただけでも価値はあると考えております。しかし仕事を部下にやらせるときの配分のマズさはなんだろうと考えさせられるのです。SEEDの終わり方もなんだかなぁと思う部分はあったにせよ、エピソードの配分としてはまだこの作品よりはちゃんとしてたように思うんですが。同じ監督でしょ?。原因を妄想してみると、シリーズ構成がうまくいかなかったか、時間配分を間違えたか、あるいは某所でちょっと話題になった「下請けとの擦り合わせがうまくいかず、仕事が滞留した」という可能性が脳裏に浮かびます。まぁ弁護というほどでもありませんが。そうはいっても例えば公道を逆走するという愚をおかしているわけではないので、そんなに責める気はないのですが…。しかし何といったらいいのだろう?。喩えるなら別に道路状況が悪いわけでもないのに追い越し禁止の公道で制限速度50㌔のところを20〜30㌔で走る軽トラに対して感じる思いに似ています。しかも余裕たっぷりに出勤しているのにそいつのおかげで遅刻しそうになるような…。まぁこの作品に感じるもどかしさはもっと軽いんですけどね。
 さて、次回が最終回なんですがどういう展開にするんだろう?。なんかミネルバをオーブ側に裏切らせて、デュランダルvsラクス&マリュー&タリアの“男”対“女”の構造にでもするんでしょうか?。この回でタリアがマリューに、ルナマリアメイリンに惹かれる描写があったので可能性としてはないわけでもないでしょう。シンはどちら側についても死亡しても不思議は無いような展開。ミネルバデュランダル側に居残ったとしたら登場人物の大量死が予測されるのですが、デスティニーに対するストーリー上の突き詰めが充分でないように思えるので、あまりに不毛だから大量死は可能性が低いような気がする。
 実は今までずっとSEEDシリーズはこれで終了と考えていたのですが、もしかすると来年またこの続きをやるの?、と今回を視聴して思い始めました。デスティニープランに対するナチュラルとコーディネーターの支持度合いが全く描かれてません。あくまで主要人物がどのような思いでいるのかを想起させる程度になっています。いくつかのサイトで「実は遺伝情報を判断して人々を適正に応じて再配置するだけ」のものではないかと言及がありました。いままでは遺伝子操作とか薬で能力の向上を図るなど人為的な操作が描かれておりましたので、「さらに遺伝子を書き換える」すなわち「全人類のコーディネーター化」がまだ主張されているのか判断に悩みます。
 次で話をまとめるのならデスティニープランは全人類が反対であるという描写を行って、ラクス陣営にラスボスデュランダルを倒させて大団円というのが順当だけど、それはどうかなぁ。ラクス陣営がデスティニープランに対する有効な反論を展開していないから、幼児層を除くすべての視聴者層はポカーン状態になると思うんですよ。いや、だからスタッフがそういう展開には絶対しないとはいえないとは思うんですが。地球上にもデュランダル支持層がいる以上、そして狂信的なブルーコスモスが排除されていることもふまえて、デスティニープラン支持層=デュランダル側とデスティニープラン不支持層=ラクス&カガリ側という対立構造にして来年のヒキとなるような気がするんですよね。犠牲は当然シンとレイ。デュランダルも死ぬかもしれませんが、そうだとしても代わりの指導者は別に立つので問題なし。もしかして今回かろうじて生き残ったルナマリア(SEEDでのキラ)がラクス側に寝返り、彼女の誘いに応じてシン(SEEDでのフレイ)が裏切ろうとするところをレイが撃墜とかいう展開だったりして。そうなるとレイを倒すのはアスラン?。
 まぁ良きにつれ悪しきにつれいろいろ考えさせてくれるアニメではありますな。