機動戦士ガンダムSEED DESTINY 第45話「変革の序曲」

 ん〜。前回明かされたディステニープランですが、AAクルー内だけで共有されていてあまり重大さが感じられません。公式に暴露する時期をはかっているのかもしれませんが、大変だといってキリキリ動いているのはAAの連中だけのような気がします。ジブリールは倒されてしまいましたが、これからAAがプラントと戦う際にどんな大義名分を用意するのか?。
 今回はルナマリアが死んでしまうのか?という予感がよぎりました。出撃前のいっぱいいっぱいな様子、シンとの心の通い合わせ、前回守るといって守りきれなかったシンの守る発言など、ルナマリアの死でシンを成長させる要素はたっぷり。よくよく考えてみれば、ここでルナマリアが退場するとプラント側から華がいなくなってしまうのでまだ死亡させるわけにはいかないという進行上の配慮もわからんではないです。メイリンの制服がザフトのものであったのは、彼女の精神的な所属はプラントにあるという意志の表れでしょうか?。あっさりとオーブ側に帰属したと思われるネオがオーブ制服を着ていることからそう判断せざるを得ないんですが。あ、いやメイリンはそれまでオーブの研究所員の服装をしてましたし。あとカガリの涙に意味がありそうですが言及は避けておきます。
 前回「配備した兵器を使わせてくれない」発言をした司令官ですが、今回の行動を見てみるとお調子だったのかもと思わんでもないです。いや、そうは言ってもかなりの部分本音だったとは思いますが。しかし状況に冷静に対応していることや、ジブリールが逃げるときもあとは部下に任せて一緒に逃げるという選択をしなかったことなどをみると、ただの仕事に忠実な官僚だったのかもと思ってしまいます。ジブリールが逃げ込んできた当初はただの上司のつもりが、事態の進展とともにキ印の人だとわかっておののいているような描写でした。しかしジブリールの立場(階級)ってなんだったのでしょうか。連合はアレだけの巨大組織なんだから、いくら緊急事態だからといって命令書のない行動はとれないと思うのですが。ジブリールはロゴスの代表だろうけど軍の責任者ではないから、軍人にとって充分アヤシイひとの筈なんでほいほい言うことを聞くのはどうかと。軍人としては上級者の命令に従うのが職分であって、その上級者の命令が間違っているとどうしようもありません。今回の描写はそのへんのサラリーマンの悲哀的なところが少しはあったかな?
 ジブリールが退場した今、ジブリール陣営の後処理はどうするんでしょう?。セイラン家を切った今、オーブと共闘することはありえないだろうし。武装解除後解散?。表立ってプラントとオーブが対立するわけではないんでしょうけど、AAがザフトと敵対関係になるって戦力的には無謀でしかないと思うのですが、どう調整をつけるのか?。これからAAが探偵ごっこをして(情報収集活動とか言ってましたが)デュランダル議長の野望を暴くという方向なんでしょうかねぇ。
 事態がころころ動くといったところでは面白いのですが、組織の描き方や理想理念の提示の仕方がここに来て混乱してきたような気がします。感心なのは対立すると思われるデュランダル議長の主張に筋が通っており、キラ・アスランの理想はわかるものの、納得できる説明がなく行動がイマイチ伴なっていないというところでしょうか。デュランダル議長側を理不尽な悪として描いてしまうのではなく、“乗り越えるべき対象”として立ちはだかっています。心配ではあるのですが、たぶんデュランダル議長を圧倒する際に「あぁなるほど、現実には無理かもしれんが、その考え方はアリかもしんない」という主張をしてくれるのを楽しみにしています。