機動戦士ガンダムSEED DESTINY 第42話「自由と正義と」

 話の流れとして無理はないんですけど、気になるところがちらほらと。やっぱりカガリの成長描写がちと御都合主義的なのがどうしてもねぇ。あとアスランの混迷描写がわかりにくい。これなら絵の枚数が少なくてもいいから、総集編などやらずに説明の回をすりゃいいのにと思わざるを得ません。デジタル化されている今、総集編のほうが新しい絵を一枚もおこすことなく声優のコストだけで一話できるんだから、安く上がる方を選択するのは無理もない話ではありますが。あとアニメなだけあって動画部分も良く動いており、迫力はあったのですが、ごちゃごちゃしていて目が追いついていかなかったところがいくつかありました。ロボットの動きが速すぎ。いや、トータルで見ると断然プラス部分が多いのは間違いないのですけども。
 今回はネオ・ロアノーグの描写が優れていたように感じました。彼の受けた洗脳の性質にもよるんでしょうけど、安直にムウ時代の記憶を取り戻してAA側で戦うという形でなかったのに好感が持てました。あくまでムウ時代の口癖が周囲に彼が彼本人であることを想起させるという手法がうまく働いていたように感じます。たぶんこの作品を前作からチェックしていた人はマリューの感情描写に納得がいったのでは?。
 スタッフが気の毒なのはジェットストリームアタックの描写でしょうか。私なんかはファーストガンダム時代のロボットを登場させて、ある程度の剽窃をするのはありだとは思います。ただ、連携の仕方を新しく考えてみても良かったんじゃないかと。それをしたらしたで「こんなのガンダムじゃない」とかいう層もいるでしょうし、しなかったらしなかったで「真似だけして創造力がない」とか言われるでしょうし。スタッフもファーストを見た世代はいるでしょうし、自分の関わっている仕事に登場させたいという気持ちもあるでしょうからあまり誉められたものではないのかもしれません。ただファーストへの顧客誘導という性質があるかもしれず、スポンサー様の意向であるのだとしたらある程度仕方がないのかもと思ってしまうのです。
 ここまで来て脇役の方に意識が向きました。マリュー&ネオ、イザークディアッカメイリン&ミーアなど。いやイザークディアッカ組は今までの描写が全然足りないので、いまさら感は拭えませんけど。