6550をとっちゃいました。

 英國戀物語エマ第10話「すれ違い」視聴終了。前回は中だるみなんて書いてしまいましたが、今回は前半がタメでどうなるかとも思ったものの、後半から急展開でした。気付いてみると、この作品も声優に金をかけていますね。うえだゆうじ好演。コリンが「神無月の巫女」主役の下屋則子だと今気付いてびっくり。アルが西村知道で、ベテラン声優でかためてますな。エコーをかけて屋敷の広さを表現していますが、音響さんはもうちょっと工夫して欲しいところです。作品の良し悪しに全然関係ないですが…。
 インドの王子様の駆け引きもうならされましたが、なんと言っても今回の見せ場はエマがおいとまするときの父子の対決でしょう。父親が身分制の不条理さを代表しているように見えますが、実は大組織を抱えるにふさわしい思慮分別をもっているだけでなく思いやりに満ちた人物であること(というよりは分からず屋ではないこと)がほのめかされております。エマ自身が階級差に圧倒され逃げ帰ろうとするのですが、ウィリアムがエマをだしに感情に浸っているところを平手で目を覚まさせようとしています。ヴィヴィがエマに感情をぶつけているのに対し、父親はあくまでエマに礼を尽くそうとしています。ウィリアムがエマを追いかけようとしたときに腕を掴んで引きとめようとしますが、ウィリアムが手を振りほどこうとすると自然に引き離しております。
 べつに「エマ」だけに関わらず、私が幼少の頃から身分差の違いに苦しむ若い二人のメロドラマは氾濫していたわけですが、これもその系列なのかもしれません。若い頃には読解力が無いのでついつい悪者を設定して主人公に同情的になってしまうのですが、ストーリーが読めてくるようになると登場人物の心情と台詞が必ずしも一致するわけではないことがわかってくるわけです。まぁ主人公を引き立てるためだけに深みの無いキャラクターばかり登場させたりする作品もあるので、一概には言えませんが。いつだったか再放送で「おしん」を数話だけ見たのですが、本心は違うんだけども、主人公を成長させるために敢えてつらい言葉を吐くキャラクターがいたりしました。「エマ」の場合、ウィリアムの父親がそれにあたると思います。うーん。このサイトにくる人にはわざわざ説明するまでもないような気はしますが。
 エマにびっくりして軒下に隠れるねずみの描写や、アルが戸を閉めて暗転とかつくづく見せ方に気を遣ってますな。次回で種明かし、その次で消化、最後に結末と話の構成としてはオーソドックスに感じました。しかし原作もこんな展開なんでしょうか。ちょっとイメージは違うような気はするのですが。アニメとして楽しめればいいので、今のところ原作をチェックするつもりはありません。するとすれば全話視聴終了後でしょうね。