一日中曇りの予報

 舞-HiMEの結論ですが、お互いが潰し合いをせずにどうやったら解決できたのかということを、全員を生き返らせることで示します。全員で協力して倒しましょう…なんか万国の労働者よと言う感じで自分的には古臭いものを感じます。それにしてもその解決方法の結果で物語が終結するのではありますが。
 簡単に言えば、そういうお互いを食い合うシステム自身を無くしてしまえばよいということだと思います。潰し合いをさせていいとこ取りをしようとする奴を倒すのではなく、そういうシステム自身をみんなで協力して無くしていきましょうということなんでしょう。だから副会長に責任をとらせず、(結局彼も利用されただけなんだといういいわけ)理事長にも救いの手が差し伸べられます。さすがにまったく誰にも責任をとらせないわけにもいかず、一番地の連中が会長に殲滅されております。しかし会長にしても潰しあう構造がいけないと考えて一番地を壊したようにも見えない。
 話の落しどころとして、えげつないシステムは壊しました→事態を招いた者の責任は追及しなくていいの→本当に以前よりいい世界は作れるの…という感じがして不十分さを感じます。ケツの拭き方が足りない気もしますが、話としてはキレイ事を目指しかつ美しく終わってはいるので作品の評価自体は変わりません。完成度は非常に高いです。
 逃げ切り世代がまさに自分たちが逃げきれるのを確信して自分たちだけに美味しいシステムの維持を図っている現状からすると、その打開を図るということでは美しい結末でした。悪意はないにせよ、旧世代だけに美味しいシステムを維持する準備を行い、システムを維持するのに大いに手を下した理事長が物語の最後には退陣しているのもそのあらわれだと思います。未来は若者(というよりは旧世代だけに都合の良いシステムに苦しめられ、それを潰すのに尽力した者)の手で作られるべきという主張はなるほどとも思うのですが、さてうまくいきますかどうか。可能性としては以前より自体が悪化するということも考えられますので。第2期があるのだとすれば、そこらへんも考えて作ってくださると追いかける視点がはっきりして私的に嬉しいのですが。