仕事が山積みで、やればやるほど重荷を載せてくるバカがいるんですが。気付いていないとでも…(ry

 さて、舞-HiMEなんですが、書こう書こう、書かないと忘れてしまう、と思っていたことがありまして。ネタばれになるのでできれば全話視聴してくださった人がお読みくださるとありがたいのですが。
 前半は敵味方がわかりやすい構成となっておりましたが、私が面白いと思ったのはむしろ味方同士が戦いあう後半のほうでした。

 味方同士がお互いの大切な人の存在を賭けて戦うという構図は、ちょうど家族なり住宅ローンなりの大切なものを抱えた労働者が、生きていくために汚い仕事をさせられてしまうというのと奇妙に一致します。しかも組織内での地位を賭けて仲間同士が足を引っ張り合うというまことに救いようのない現実と違いがありません。より良い生活を目指せば(大切な人を守るためには)仲間を蹴落とさなければならず、それが嫌だからといって逃げ場もありません。戦わなければ同じ仲間に食い物にされるか、体よく解雇されるだけです。この作品の場合12人もいますから、蟻地獄への落ち方ののバリエーションは豊富に用意されています。かなり繰り返されている茶番の一つに、戦いあう2人の大切な人が実は同一人物で、どちらが勝っても大切な人が失われてしまうというのがありました。これも現実の職場で同じようなことを体験している人は多いのではないでしょうか。
 もちろん作品中でも最後の勝者をクローズアップする場面はでてきます。しんどい思いをして最後の一人になったとしても(つまり、残りの11人を食い物にしたという罪を背負っているわけなんですが)、結局そのシステムを利用して美味しい思いをしようとする黒幕にいいようにこき使われるだけです。自分を大切に思ってくれている人のために嫌なことも引き受ける命、実はシステムのあり方に薄々感づいていながら、結局は大切な人との情に流されてしまうなつき。強大な力を持ちダメだと思っていながらも仕方がないとあきらめて状況に流される舞衣。いかにもあなたの近くにもいそうじゃありませんか。
 この物語では現実社会をそのように捉えながらも、解決方法の提案を図ります。きれいごとだけれども。