スターシップ・オペレーターズの音楽について

 ここではOP・ED・挿入歌などではなくBGMの川井憲次氏の仕事振りについてです。私が氏を知ったのはガンパレード・マーチ〜新たなる行軍歌〜ででした。アニメ作品自体としては、発売済みのゲームのアニメ化ということで賛否両論ありましたが、ゲームを2〜3度クリアしていた私でさえもあまりゲーム設定との相違点で気になることはありませんでした。後半部分から盛り上がるところがお気に入りです。人物の表情を入江氏が担当した回は特にすばらしいですよ。それはともかく、この作品で「音楽もなんとなくいいなぁ」と感じていました。Profileを見ると、人生そんなこともあるのかと驚きすら感じます。
 特徴としてはちょっと抜けの悪い金管セクションで悪く言えばどんくさい感じがするのですが、これはバックグラウンドとしてはむしろ正しいあり方です。音楽はあくまで脇役なので耳障りであるとか、会話が聞き取りにくくストーリーに集中できないといったことは本末転倒です。穏やかな曲作りなので、はまれば何度聞いても疲れにくいですよ。
 さて特筆すべき点はこの作品のように戦闘導入部分での感情の盛り上がりにあっていることです。低音セクションやリズム感がうまく配置されているので、のめりこむのに十分です。あとこの人の表現で私がうまいと感じるのは不安感や緊迫感の表現でしょうか。他の人にもそういう評価なのかは分かりませんが、正統シリアス物ではかなり出番の高い作曲家ではないでしょうか。ネット上ではかなりファンだと表明している人もたくさんいますので、一度バックグラウンドとしての仕事振りに気をつけて聞いてみてください。