なんか夕方からずっと寝てた。なのでディスク車進捗もなし。アニメも数本。気温が下がって過ごしやすくなったのはいいけどね。

杖と剣#11・12

 合体技で強敵を撃破。で、2期に続くよEND。バトルシーンは迫力があったけど、何度も言ってる通りバトルシーンは自分にとって時間稼ぎなので…。主人公やパーティーメンバーが何度協力プレイで攻撃してもダメとか、他の読者なら絶望的状況なんだろうけど、自分なんかはここでパーティーが全滅したらそこで話は終わってしまうからどうせ生き延びる展開になるんだし、ましてや今までに誰がどんな攻撃技をもっててどういう効果があるのか、シチュ重視だから体系的に説明していなくて組み合わせの妙(そういう手があったか)みたいな驚きもないし、どうにもな。一番の強敵を倒せてしまったんだから、仮にあらかじめ予測して準備してれば楽に倒せたってこどだろうし、危機を演出して勝利ってのは結局作者の手のひらで読者は踊らされてるってだけなんだよな…。
 というわけで、ストーリー自体は最後までイマイチでした…という話なんだけど、結局この話で示されてる構造、今回茶髪ヒロインに言わせてたセリフがなくても最初っからわかることではあるんだけど、魔法使いが幅を利かせて、肉壁剣士が蔑まれる設定は、要するにITプログラマが(ブラック企業の産みの場であり、デスマ発祥の地であったはずなのに)今や高給取りになって、エッセンシャルワーカーなどの現業職が底辺労働になってる日本(だけでなく先進国特有のものになってるみたい)の社会状況そのものといったところなんだろうか。プログラマはいわばコードを書くという行為が魔法使いが呪文を唱えるという行為と相似形であって、情報やモノを間接的に右から左にうつすだけの仕事であって、実際にモノを作ったりサービスを提供してるエッセンシャルワーカーとは対極にある職業。で、昔はアタればデカいが、たいはんのプログラマは大した給料をもらってなくて山師みたいなものと思われてたけど、今はねぇ。それで高給取りになったら鼻持ちならない連中になってしまって、ちょっと前など、Twitterに投稿してるIT技術者はどうにも世間ずれしてるものが多く感じられていた。情報産業は、昔は通信産業と呼ばれてて、流通ですらモノを右から左へ流すだけといわれてたのに、形の無い情報を右から左に流すだけだし、扱ってるのは数字でしかないから、彼らが扱ってるモノやサービスの価値を実感をもって捉えにくくなってる。プログラムの式や数字をちょこっといじっただけで結果が目まぐるしく変わるので、そりゃ勘違いするのも無理無いワナと。で、IT技術者の全員がそうであるかと言ったらそんなこともないわけで、想像を働かせるものや、茶髪ヒロインのように実際に現場に行ってモノやサービスの価値がどのように生み出されているのか自分の目でしっかり見てる者が実態をつかめているという。で、こういう構造は工業化の過程でも見られたことで、人間が決してコントロールできない天候を相手にちまちま血をはいつくばって農業してたのが、化石燃料をバンバン燃やしてその力を利用してるだけなのに、生み出す価値が莫大だからといって農業をバカにしてた近代以降の工業国とかね…。
 結局のところ自分にとっては当たり前だった社会構造を1クールかけて描いていたというだけの話なんだけど、2期をやりますか…。どうせ少年向けに対するメッセージだとは思うんで、こういう構造を彼らに示すのは意味のあることだとは思うんだけども、そんなに中身が詰まってるという感触ではなかったかな…。