キノの旅 第10話

 なんか珍しくしんみりした話だな。
 と思ったのだが、思い出したのが前回のあとがき演出。どう考えても前回までのあり方と今回の話は毛色が違っている。前回までが現実社会へのアイロニー色が強かったのだが、今回はそういう色があまり感じられない。さんざん日本がモデルといっていたのが、今回はそうであるようでいてそうでないようでもあり。火砕流に飲まれることが分かっていても逃げないというのは、限界集落でいずれ廃村となるんだろうけど、その村を捨てないで住み続けるのと重なる。が、限界集落が、かつてそのムラの若者が職がなくやむなくにしろ、因習に愛想を尽かしたにしろそこを離れていったということを考えると、では限界集落が滅びを前にして余所者に親切になるか?と言われると、今までのあり方を変えられないからこそ、余所者への態度も普通に考えると変えるはずもないわけで、やはりこれは日本の縮図的要素というよりは、フィクション要素が強いと考える。
 しかしこれでようやく第1期の続編という感じになった。残りの2話もそうなのかな。