武装少女マキャヴェリズム 第9話

 うーん、なんでマキャヴェリズムという単語をタイトルに混ぜたのか。
 個人的にはこれは悪手なんじゃないかという気がした。結局主人公周りのお話は、実力自体ないわけではないがトップに比べるとずいぶん見劣りのする女の子五名をトップと戦うための仲間にするって流れだし、そのために実力で屈服させるだけではなくて、心服させないといけないって構造になってる。コレ自体はちょっとイヽ話の組み合わせでしかなくていわば萌えフォーマットでしかなく、マキャヴェリズムの名が泣く。女の子五名に焦点を合わせても、その五名で派遣を争い合うって構造にもなっておらず、ひたすら主人公のために協力するという流れのようにしか見えず、ハーレムを構成する一要素でしかない。もちろんトップに焦点を合わせても主人公に対する壁だとかそんなのでしかないわけで、これもう古いタイプの物語。前にマイナー武道の紹介じゃね?と書いたが、その武道の覇権争いでもない。これはこれで、普通にマキャヴェリズムの単語を使わず、そういう萌え作品の一つですよと宣伝してくれたら、こちらもそのつもりで視聴してたから、そうなればちょっと現実の貸し借り関係を要素に取り入れた毛色の変わった萌え作品としてバランスは取れているんじゃね?と少しは好意的にとらえることもできるんだけど、そういうアナウンスが先にされてしまうと、おそらく自分はこの作品を視聴してみようかという気にならなかったとは思う。
 別に人を人とも思わない権謀術数という作りでなくとも、いや、別にそういうのがマキャヴェリズムの本質ではないんだけど、普通に人付き合いには筋を通すべきという主張のもと、貸し借り関係を貫き通すためにいろいろな障害があって、それを何とかするために頭も使うし、一見騙すように見えてもそれは敵を欺くためのものであって、実は遠謀深慮のもと結果的に筋が通るとか、そういう描き方もあるだろう。それは別に萌えフォーマットとの両立が不可能なわけでもないので、そういう葛藤なり苦悩なりも併せてシナリオに落とし込むこともできると思うんだが、まぁ複雑にしたり所謂鬱展開などで視聴者にストレスを与えてしまうと見向きもされないから、視聴者の知能に忖度してテキストのレヴェルを落とさゞるを得ないのかもなぁ。
 いやまぁ天下五剣と言ってるあたり、剣は道具でしかないので、こう納村が今まで心服させた女の子を一見道具として利用しながらトップに勝とうとする展開が以降無いとも限らないので、そのへん今からダメな展開になるだろうなんて予測を立てゝも面白くもなんともないのだけども。